
森を焼く人――自然と人間をつなぎ直す「再生の火」を探して
M・R・オコナー(著), 大下英津子(訳)
定価 | 2970円(税込) |
頁数 | 480頁 |
判型・製本 | 四六判 上製 |
発売日 | 2025/05/21 |
ISBN | 9784862763570 |
発行 | 英治出版 |
内容紹介
なぜ山火事はここまで巨大化したのか?
その答えは、気候変動だけではなかった──。
『絶滅できない動物たち』で絶賛されたジャーナリストが、
破滅的災害の最前線で自ら消火/火入れに参加し、取材。
「文化的火入れ」を守ってきた先住民、
火で炎を制する森林火災消防士、
「火災生態系」に連なる研究者たちとともに、
忘れ去られた「森と火と人」の関係性を解き明かす。
“人類最初の道具”とも言うべき「火」を通して、
人間と自然の関係を問う傑作ノンフィクション。
目次
プロローグ 森と火と人の関係性を問い直す
第1章 プレーリーの土
ーー死と再生をもたらす「よい火」を求めて
第2章 まず、雷があった
――火と人が共生してきたこれだけの証拠
第3章 炎に魅せられて
――「青い蝶」は火がなければ絶滅する
第4章 のたうちまわる巨大な蛇
――いかにして火入れは禁止され、森林火災は大型化したのか
第5章 別世界からの使者
――「メガファイア」化する火災と最前線の消防士
第6章 汚れた8月
――社会のはみ出し者に与えられた世界一危険な仕事
第7章 想像がつくことはすべて起こった
――なぜ対策はいつも「2歩遅れ」なのか?
第8章 「火新世」を生きる
――ヨセミテ国立公園とコントロールされた自然火災
第9章 抵抗か、受容か、方向転換か
――森を守るためには森を焼かねばならない
第10章 竜の卵と石槌
――1000年のタイムスパンで世界を見るために
第11章 美しくて正しいもの
――「生態系多様性」と火の革命家たち
第12章 白い鹿の土地で
――聖地を植民地化されたユロク族と「文化としての火入れ」
第13章 ともに捧げる祈り
――母なる大地とひとつになるために
エピローグ 火と手を取り合い、大地に躍る
著者
[著者]
M・R・オコナー(M.R. O'Connor)
政治、そして科学や技術や保全の倫理をカバーするジャーナリスト。The New York Times、The New Yorker、Foreign Policyなどに精力的に寄稿している。第1作の『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社、2018年)は、アマゾンの年間ベストブックに選出された。第2作の『WAYFINDING 道を見つける力』(インターシフト、2021年)は、ナビゲーション能力を伝統や脳科学から分析した。パートナーと息子3人とともにブルックリン在住。
mroconnor.info/
[訳者]
大下英津子(おおした・えつこ)
上智大学外国語学部英語学科卒業、ニューヨーク大学ギャラティンスクール修士課程修了(アジア系アメリカ女性作家文学専攻)。翻訳作品に『ようこそウェストエンドの悲喜劇へ』(論創社)、『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社)、『火成岩』(文渓堂)、「寓話」(『眺海の館』所収、論創社)、「シーラ」「ポンペイ再び」(『アメリカ新進作家傑作選2007年』所収、DHC)など。
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