
「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる
安宅和人(著)
定価 | 5500円(税込) |
頁数 | 984頁 |
判型・製本 | A5判 並製 |
発売日 | 2025/07/30 |
ISBN | 9784862763501 |
発行 | 英治出版 |
内容紹介
「都市集中」は人類の必然なのか?
「このままでは歴史ある自然豊かな土地が打ち捨てられ、都市にしか住めない未来がやってくる……」
突如、著者を襲った直感は、専門を越えた仲間との7年にわたる膨大な検討を経て、壮大なビジョンと化した。
自然(森)、インフラ、エネルギー、ヘルスケア、教育、食と農……これらをゼロベースで問い直したときに見えてきた、オルタナティブな世界とは。
数十年では到底終わらない運動のはじまりを告げる圧巻の一冊。
『イシューからはじめよ』の著者が
人生をかけて挑む
解くべき課題〈イシュー〉。
▼目次
第Ⅰ部 風の谷とは何か
第1章 問題意識と構想
第2章 人類の2大課題
第3章 マインドセットとアプローチ
第Ⅱ部 解くべき4つの課題
第4章 エコノミクス
第5章 レジリエンス
第6章 求心力と三絶
第7章 文化・価値創造
第Ⅲ部 谷をつくる6つの領域
第8章 人間と自然を調和させる──森、流域、田園
第9章 空間構造の基盤:インフラ──道、水、ごみ
第10章 人間の活動を支えるエネルギー
第11章 ヘルスケア──肉体的・精神的・社会的健康
第12章 谷をつくる人をつくる
第13章 食と農──育てる、加工する、食べる
第Ⅳ部 実現に向けて
第14章 谷の空間をデザインする
第15章 風の谷という系を育む
※本書で語られる「風の谷」とは、自然豊かな疎な空間を、都市に頼らずとも人が住み続けられる“もう一つの未来”として再構築する構想の呼び名です。都市を否定するものではなく、都市と自然、両方を生かす空間デザインの試みとして提案されます。
目次
プロローグ
はじめに
第I部 風の谷とは何か
第1章 問題意識と構想
第2章 人類の2大課題
第3章 マインドセットとアプローチ
第II部 解くべき4つの課題
第4章 エコノミクス
第5章 レジリエンス
第6章 求心力と三絶
第7章 文化・価値創造
第III部 谷をつくる7つの領域
第8章 人間と自然を調和させる――森、流域、田園
第9章 空間構造の基盤:インフラ――道、水、ごみ
第10章 人間の活動を支えるエネルギー
第11章 ヘルスケア――肉体的・精神的・社会的健康
第12章 谷をつくる人をつくる
第13章 食と農――育てる、加工する、食べる
第IV部 実現に向けて
第14章 谷の空間をデザインする
第15章 風の谷という系を育む
著者
安宅和人(Kazuto Ataka)
慶應義塾大学環境情報学部教授
LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト
一般社団法人 残すに値する未来 代表理事
マッキンゼーにて11年間、多岐にわたる分野で商品・事業開発やブランド再生に携わった後、2008年よりヤフーへ。2012年から10年間CSO(Chief Strategy Officer)を務め、2022年よりZホールディングス(現LINEヤフー)にてシニアストラテジスト(現兼務)。2016年より慶應義塾SFCで教え、2018年秋より現職。
データサイエンティスト協会 設立理事・スキル定義委員長。経済産業省「新産業構造ビジョン」、内閣府/CSTI「AI産業化ロードマップ」「大学ファンド構想」、デジタル防災未来構想、数理・データサイエンス・AI教育モデルカリキュラムおよびプログラム認定制度、知的財産戦略ビジョンの策定など、科学技術およびデータ・AIをめぐる多様な政策形成に関わる。
都市集中しかないかのように見える未来に対し、知恵と技術を活かし、自然と人が共存するもう一つの未来の創造を目指して、2017年に構想づくりを始動。以降、専門家・地域実践者とともに課題の構造的な見極めの上、構想を深め、実装に向けた検討、取り組みを重ねている。
東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専攻修士課程修了。イェール大学 脳神経科学Ph.D.。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版)、『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング)など。
一般社団法人 残すに値する未来
https://aworthytomorrow.org
2017年に始まった「風の谷をつくる」検討・運動を推進する母体として、2020年に設立。
五千年以上続いてきた都市集中型社会に対し、持続可能で多様性に富んだオルタナティブの創造を目指す。
構想には、森、流域、エネルギー、教育、医療、食と農、景観、土木、データ・AIなど、多様な分野の専門家・実践者・学生が集い、知恵と技術を融合しながら、数百年先を見据えた社会の新たな「かたち」の立ち上げに挑んでいる。
テクノロジーと自然、個と共同体、土地の記憶と未来志向を接続するこの試みは、単なる制度設計でも都市開発でもなく、「生き続けうる場所(viable place)」を共につくり上げる営みである。その第一歩として、数百年続く運動論の「最初の型」を立ち上げることを、当面の目標としている。
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