ファイナンスをめぐる冒険――組織のパーパスに適した資金調達はどうすればできるのか
オーニー・パットン・パワー(著), Zebras and Company(監訳), 月谷真紀(訳)
定価 | 2970円(税込) |
頁数 | 376頁 |
判型・製本 | A5判 並製 |
発売日 | 2024/12/04 |
ISBN | 9784862763396 |
発行 | 英治出版 |
内容紹介
ベンチャーキャピタルや銀行融資だけじゃない!
世界の多彩な資金調達方法を事例とともに探索し、組織のパーパスや将来を犠牲にしない選択肢を見つけよう。
「大きな社会的インパクトが期待できるのに、実績が足りなくて融資を断られてしまう」
「投資家が求める10倍成長は、自分たちのパーパスに沿った考え方じゃない」
「事業拡大のために資金は必要。でも、ミッションに忠実であり続けるためには外部の株主に経営権を制約されたくない」
「ある組織の社会的ミッションや事業に共感して投資したい。でも既存の助成金の条件には当てはまらない」
こうした資金調達にまつわる課題を乗り越えるべく、世界では驚くほど多彩な手法が編み出されている。従来のベンチャーキャピタルや銀行融資が合わない99%の企業や非営利組織にとって、どのような資金調達の可能性があるのか。インパクト投資の研究者・実践家である著者が、世界中の事例を用いて解説した一冊。
目次
監訳者まえがき
イントロダクション
この本の使い方
本文に入る前に―あなたの資金調達の地図を描きましょう
Part 1
エクイティとデット
―資本金と借入、どちらがいいの?
第1 章 エクイティ〔資本金〕による資金調達―ヘリウム・ヘルス
第2 章 デット〔借入〕による資金調達―SOKO
第3 章 トレードファイナンス―パワード・バイ・ピープルとイコール・エクスチェンジ
第4 章 創業者の自己評価チェックリスト
第5 章 〔Part 1まとめ〕 エクイティ〔資本金〕とデット〔借入〕
Part 2
リスク資本を創業者のニーズに合わせて設計する
第6 章 ストラクチャードイグジット―キャンディード・グループ
第7 章 償還可能株式―マイターン
第8 章 優先株式―イコール・エクスチェンジ
第9 章 レベニュー・ベースド・メザニン・デット―プロヴァイヴ
第10 章 ディマンド配当―マヤ・マウンテン・カカオ
第11 章 レベニュー・ベースド・ファイナンス―ゲットヴァンテージとVIWALA
第12 章 〔Part 2まとめ〕 リスク資本の再設計
Part 3
助成金でイノベーションを起こす
第13 章 プログラム関連投資―ハーレム・スタジオ美術館
第14 章 借入保証―ライダーズ・フォー・ヘルス
第15 章 回収可能な助成金―ウパヤ・ソーシャル・ベンチャーズ
第16 章 返済免除条件付融資―イカンヴァユース
第17 章 転換権付助成金―トラッカソーラス
第18 章 〔Part 3まとめ〕 革新的な助成金
Part 4
資金調達をインパクトにリンクさせたい場合はどうする?
第19 章 金利優遇―マイケル&スーザン・デル財団
第20 章 ソーシャル・インパクト・インセンティブ―クリニカス・デル・アスカル
第21 章 アウトカムベースド・ファイナンス―私の経験
第22 章 〔Part 4まとめ〕 資金調達をインパクトにリンクさせる
Part 5
資金調達プロセスをまるごと再設計する
第23 章 クラウドファンディング―コード・フォー・オール
第24 章 コミュニティ主導型資本―ヴィレッジ・キャピタル
第25 章 労働者所有協同組合―カル・ソーラー
第26 章 〔Part 5まとめ〕資金調達のプロセス全体を再設計する
第27 章 ミッションを契約に埋め込む
Part 6
旅のプランを立てる
第28 章 あなたは何者で、何を必要としているのか?
第29 章 あなたにふさわしい資金提供者のタイプは?
第30 章 あなたに適した資金調達方法は?
終わりに
謝辞
用語解説
著者
【著者】
オーニー・パットン・パワー Aunnie Patton Power
金融・インパクト投資に関する研究者・実践家。オックスフォード大学サイード・ビジネススクール講師、Skoll Centre for Social EntrepreneurshipのEntrepreneur in Residence。ケープタウン大学ビジネススクールの非常勤講師、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員。女性エンジェル投資家グループ「Dazzle Angels」の創設メンバーでもある。2010年にバンガロールのユニタス・キャピタルでインパクト投資のキャリアをスタートさせ、以来、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北米の新興企業、仲介業者、ファンド、ファミリーオフィス、財団、企業、政府などと協働してきた。
【監訳】
株式会社Zebras and Company
「Different scale, Different future」をテーマに、誰もが社会課題解決と持続的で健康的な企業経営に挑戦できる「優しく健やかで楽しい社会」を目指し、投資と経営支援を行う。投資・経営支援、行政や金融企業との連携、「ゼブラ企業」に関するリサーチと情報発信を通してゼブラ的経営を体系化し、「ゼブラ企業」という概念が全ての企業にインストールされる世界を目指す。
【翻訳】
月谷真紀 Maki Tsukitani
翻訳者。主な訳書に『The Work of the Future』(慶應義塾大学出版会)、『ストーリーが世界を滅ぼす』(東洋経済新報社)、『クリエイティブ・クラスルーム』『自分の「声」で書く技術』(英治出版)などがある。
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