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融けるロボット――テクノロジーを活かして心地よいくらしを共につくる13の視点[NPO法人ミラツク]

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安藤健(著)

定価 2970円(税込)
頁数 400頁
判型・製本 四六判 並製
発売日 2025/03/16
ISBN 9784991213267
発行 NPO法人ミラツク(発売:英治出版)

内容紹介

テクノロジーは、世の中で使ってこそ人のためになる。そして役に立っているとき、その技術は決して目立たない。テクノロジーが持つ可能性を生かし人が持つ可能性を活かすために、時にテクノロジーはその場に融けて存在感すらなくなる。

早稲田大学で博士号を取得し、研究者としてキャリアをスタートした後に、パナソニックでロボット開発者としての第二のキャリアを経て、空港や病院など多岐にわたる現場で事業化に至ったロボットプロジェクトを数多く生み出してきた著者。日本科学未来館のロボット常設展示の監修など、業界の第一人者として社内外で様々なセクターと協働し活躍してきた著者が贈る、
社会に実装される技術のあり方とその起こし方をまとめた「13の視点」

技術が私たちのくらしをより良いものにしてくれるには、一体どうすれば良いのか。人を幸せにする技術のあり方を、共に問い考える一冊。
 

目次

はじめに

一章 ロボットというテクノロジーと社会実装の現在地
ロボットとは何なのか?
ロボットがもたらす三つの価値
ロボットの原型と実世界での活躍
ロボット大国としての日本の実力
新しい領域でのロボット活用の始まり
なぜロボットに期待が集まるのか?
特定の分野だけ広がるロボット活用
日本に対する海外からの手厳しい指摘
新分野でのロボット活用が進まない理由
ロボット・トランスフォーメーション(RX)の必要性
RXを成功に導く三つのアプローチ
ロボット活用の有無で差が出る時代へ
RXは経営戦略に紐づく

二章 ロボットが社会実装されるために大切なこと
ロボットには強い「魔力」がある?
「魔力」を振り払うために現場を知る
ロボットの「魅力」を引き出すためのポイント
ポイント① デジタルの前にアナログなトランスフォーメーションを
ポイント② 現場にあるのはヒントであって答えではない
ポイント③ 必ずしも人の能力を超えなくてもよい
ポイント④ 必ずしも完全自動化を目指す必要はない
ポイント⑤ 人のスキル・能力を最大限に活かす
ポイント⑥ ユーザーとメーカーで環境を整える
ポイント⑦ PoC死しないようにする
ポイント⑧ メーカーがユーザーになってもよい
ポイント⑨ 必ずしも単独でやりきる必要はない
ポイント⑩ ロボット単体ではなく、全体のコストを考える
ポイント⑪ 必ずしもロボットを売らなくてもよい
ポイント⑫ ダブルハーベストで課題解決装置としてのロボットの活用を
ポイント⑬ 事業より前に世界観を共創する時代

三章 自動化の次の新たなロボットの使い方
良質な問いを共創する時代
自動化と自己拡張
ウェルビーイングと自己拡張
量的拡張と質的拡張
質的拡張の質に対する理解を深める
社会的な拡張は社会全体をウェルビーイングにする
一人ひとりの心の豊かさを支援する
人と人との関係性を支援する
人と地球との関係性を支援する
制御しない制御へ拡大するロボティクスの役割
北極星としてのウェルビーイング
これからのロボット業界に必要なもの
そして、くらしのインフラへ
ますます高まる人の重要性
逆に、人が何をしたいのかを考える

おわりに ロボットを融かすための開発
 

著者

安藤健(あんどう・たけし)
ロボット開発者・博士(工学)

早稲田大学先進理工学研究科博士課程修了。早稲田大学理工学部、大阪大学医学部での研究者としての活動を経て、パナソニック(現、パナソニックホールディングス株式会社)入社。ロボットの要素技術開発から事業化までの責任者のほか、グループ全体の戦略構築も行う。ヒト・機械・社会のより良い関係に興味を持ち、一貫して人共存ロボットの研究開発、社会実装に従事。ロボティクス技術を暮らしに生かす共創の場「Robotics Hub」の責任者も務める。日本科学未来館ロボット常設展示監修、日本機械学会ロボメカ部門技術委員長、経済産業省各種委員、ロボットイニシアティブ協議会副主査なども歴任。

文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、ロボット大賞(経済産業大臣賞)、Forbes JAPAN NEXT 100など国内外で多数受賞。