組織は変われるか――経営トップから始まる「組織開発」
加藤雅則(著)
価格 | 1,980円(税込) |
頁数 | 240頁 |
判型・製本 | 四六判 上製 |
発売日 | 2017/12/11 |
ISBN | 9784862762535 | 発行 | 英治出版 |
内容紹介
「過去最高益」が相次ぐ日本企業。
――いまこそ、組織を。
「この本は、世の中に必要とされる組織をつくる人のバイブルになる」
島村琢哉(AGC旭硝子CEO)
「人材育成や組織開発の本は何十冊と読んできたが、これは本物だ」
中村和彦(南山大学教授、『入門 組織開発』著者)
健全な危機意識を抱く社内の有志が、組織コンサルタント、社長、役員、部長の順に
対話を重ねることで、会社に組織開発の機運が醸成され、現場の変化が生まれていく。
実在企業をモデルにした、迫力の組織変革ストーリー!
■2兆円企業から中堅、ファミリー企業まで。17年の実践をもとに「日本企業」のための変革を語る。
加藤雅則・著:日本興業銀行、事業投資育成会社を経て、プロコーチ養成機関CTIジャパン設立に参画。
現在は組織コンサルタント。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。
東証一部上場企業を中心に、自動車、医薬品、素材、食品、化学、金融など様々な業種・規模の会社を支援。
■「業績は好調」だが「組織は低調」?
「日経平均、バブル後最高値」のニュースが飛び交い、「過去最高益」を更新している日本企業も多い。
だが従業員に意識調査を行うと「部門を超えた一体感」や「経営への信頼度」などの数値が悪化しているという。
業績は好調だが組織は低調…今こそ日本企業は、「組織の能力開発」に力を向ける時ではないだろうか。
■研修をいくらやっても「なぜ変われない」?
5千億円市場といわれる企業研修。だが多くは、合意と階層を重視する日本の組織文化を十分に踏まえていない。
その結果、受講者が研修内容に感銘を受けても、上司の意向や組織の和を優先して職場の変化につながりにくい。
のべ2万人以上のセッションと17年の試行錯誤をもとに、本書では日本企業の特性に合致した方法論として、
「(1)経営トップから始めて」「(2)各層の合意を生み出し」「(3)当事者主体で行う」組織開発を提示する。
目次
第1章 事務局はまず何をすべきか [組織コンサルタントとの対話]
(1) タイミングを見極める――3つの好機
(2) 変われない要因を探る――研修と現場は別の世界
(3) 問題を捉えなおす――適応課題と技術的問題
(4) 最初に会いに行く人を決める――原則1 経営トップから始める
(5) 日本企業の特性を踏まえる――原則2 各層のコンセンサス
(6) 本気度を高める――原則3 当事者主体
第2章 経営トップはどうすれば本気になるか [社長との対話]
(1) 5つのステップで対話する――トップが想いを語り出す
(2) 内面の循環を意識する――本音→ 本心→ 本気
(3) ステップ1 現状の認識をすりあわせる
(4) ステップ2 リスクシナリオを提示する
(5) ステップ3 組織課題の本質を見極める
(6) ステップ4 組織開発のプロジェクトを提案する
(7) ステップ5 トップの想いを引き出す
(8) トップの想いを社内に発信する
第3章 変革の機運はどうやってつくるか [役員との対話]
(1) 役員一人ひとりの考えを探る――事前インタビュー
(2) 役員合宿の目的を明確にする――いつもの合宿との違い
(3) 役員合宿をプランニングする――事務局の役割と進行案
(4) 本音の対話を引き出す――モデルケースの紹介
(5) 対話の影響を把握する――変革と抵抗のシグナル
第4章 現場のアクションにいかにつなげるか [部長との対話]
(1) 部長の現実と葛藤を理解する――彼らの優先順位
(2) 部長支援ワークショップを設計する――気づきと自覚を促す対話
(3) 現場の変化を支援する――部下と語り合う「智慧の車座」
(4) 変革事例をヨコ展開する――事務局の本領発揮
第5章 組織開発はどうすれば自走するか [自分との対話]
(1) 組織を刺激しつづける――人間は弱い生き物
(2) 感情をマネジメントする――相反するものを取り入れる
(3) 組織開発部を立ち上げる――両利きの人材へ
著者
加藤雅則(かとう・まさのり)
組織コンサルタント。1964年生まれ。名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。
日本興業銀行、環境教育NPO、金融庁検査官、事業投資育成会社を経て、米国2大コーチ養成機関であるCTI日本支部の設立に参加。日本におけるコーアクティブ・コーチングの普及に取り組んだ。現在はアクション・デザイン代表。著書に『自分を立てなおす対話』(日本経済新聞出版社)、『「自分ごと」だと人は育つ』(共著、日本経済新聞出版社)など。
2001年よりコーチング、ファシリテーション、コンサルテーション、ナラティブ・アプローチなどに基づく独自の対話手法を実践。これまで支援してきた企業は東証一部上場企業を中心に、中堅企業、オーナー企業、外資系企業など多岐にわたる。