ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
フレデリック・ラルー(著), 鈴木立哉(訳), 嘉村賢州(解説)
価格 | 2,750円(税込) |
頁数 | 592頁 |
判型・製本 | A5変形判 並製 |
発売日 | 2018/01/22 |
ISBN | 9784862762269 | 発行 | 英治出版 |
内容紹介
【2019/9/14 日本初のカンファレンス「Teal Journey Campus」開催! 】
『ティール組織』著者フレデリック・ラルーさんはじめ、日本の先進リーダーが集結します!
詳しくは「Teal Journey Campus」または「ティール・ジャーニー・キャンパス」と検索してください。
【大反響、7万部突破!! 】
続々受賞!
「HRアワード 2018」優秀賞
「読者が選ぶビジネス書グランプリ 2019」マネジメント部門
「ITエンジニアに読んでほしい! 技術書・ビジネス書 大賞 2019」ベスト10
10年、20年先の組織のあり方を示す決定版こそが「ティール」
この変化が、様々な業界で既に起きつつあることに、興奮を隠せない!
――入山章栄(早稲田大学ビジネススクール准教授、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』著者)
久しぶりに画期的な組織論の本に出会った。
――堀内勉(多摩大学大学院特任教授、書評サイトHONZレビュアー)
これは間違いなく、今後20年は読みつがれる組織論の古典になる。
――岩佐文夫(元DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長)
「なぜ仕事で疲弊するのか?」
「組織のどこがおかしいのか?」と思ったら
原因を究明するのに最高の教科書。
――吉沢康弘(インクルージョン・ジャパン取締役)
「高い次元の組織」とは何か、という問いに答える刺激的な一冊。
――ロバート・キーガン(ハーバード大学教育大学院教授、『なぜ人と組織は変われないのか』著者)
ポスト資本主義時代における新しい組織モデルのバイブルとして、
21世紀の歴史に刻まれる本になるでしょう。
――佐宗邦威(biotope代表/戦略デザイナー、『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』著者)
次の組織モデルは、これだ。
上下関係も、売上目標も、予算もない! ?
従来のアプローチの限界を突破し、
圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。
膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。
原書発売後またたくまに世界中に広がり、15カ国語・40万部を超えるベストセラーに。新しい時代の経営論として大注目の一冊。
◆「ティール」とは?
著者は人類の歴史における組織の進化を色の波長で表現しました。
最新の「進化型(ティール)組織」は、世界各地で現れつつある
まったく新しいマネジメント手法を採用する組織のことを指します。
[組織モデルの発達段階]
衝動型(レッド)……組織生活の最初の形態、数百人から数万人の規模へ。力、恐怖による支配。
自他の区分、単純な因果関係の理解により分業が成立
例)マフィア、ギャングなど
順応型(アンバー)……部族社会から農業、国家、文明、官僚制の時代へ。
時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能に。
規則、規律、規範による階層構造の誕生
例)教会、軍隊、官僚組織など
達成型(オレンジ)……科学技術の発展と、イノベーション、起業家精神の時代へ。
「命令と統制」から「予測と統制」へ。実力主義の誕生。
効率的で複雑な階層組織
例)多国籍企業など
多元型(グリーン)……多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織の時代へ。
ボトムアップの意思決定、多数のステークホルダー。
例)コミューン、非営利組織、サウスウエスト航空など
進化型(ティール)……変化の激しい時代における生命体型組織の時代へ。
自主経営(セルフ・マネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する独自の慣行をもつ。
◆本書で取り上げられる企業事例(本文より抜粋)
AES……エネルギー/グローバル/従業員4万人/営利企業
AESは、ロジャー・サントとデニス・バーキによって1982年に米国で設立され、
その後短期間で世界トップクラスの電力会社の地位に上り詰めた。
世界中に12の発電所を構え、従業員数は4万人。
BOS/オリジン……ITコンサルティング/グローバル/従業員1万人(1996年時点)/営利企業
BOS/オリジンはエッカルト・ウインツェンによって一九七三年にオランダで設立された。
1996年にウインツェンが事業をフィリップスに売却して同社を去ったときには、
20カ国に1万人の従業員を抱えていた。
ビュートゾルフ……ヘルスケア/オランダ/従業員七万人/非営利組織
ビュートゾルフはヨス・デ・ブロックと一組の看護師チームによって、2006年に設立された非営利組織。
現在はオランダ最大の地域看護師の組織として、高齢者や病人の在宅ケアサービスを提供している。
ESBZ……学校(第7〜12学年)/ドイツ/生徒数1500名と職員、保護者/非営利組織
ベルリンセンター福音学校(ESBZ)は、同校のディレクターであるマーグレット・ラスフェルトが主導して、
2007年にベルリンで設立された公立学校。
その革新的なカリキュラムと組織モデルが国際的な注目を集めている。
FAVI……金属メーカー/フランス/従業員500名/営利企業
FAVIは、もともとは家族経営の金属部品メーカーとして1957年にフランス北部で設立された。
1983年に、ジャン・フランソワ・ゾブリストがCEOに就任し、抜本的な組織の変革に取り組みはじめた。
主力製品は自動車産業向けのギアボックス・フォーク。
ハイリゲンフェルト……メンタルヘルス病院/ドイツ/従業員600名/営利企業
ハイリゲンフェルトは現在、リハビリテーション・センターと4つのメンタルヘルス病院をドイツ中央地域で運営している。
同社はヨアヒム・ガルスカ、フリッツ・ランの両博士により1990年に設立された。
ガルスカはこの病院を立ち上げる前、従来型のメンタルヘルス病院で自分のビジョンを包括的
アプローチによる精神疾患の治療に適用しようとして失敗したという経験をしている。
ホラクラシー……組織運営モデル
ホラクラシーは組織運営モデルのことで、もともとはフィラデルフィアのスタートアップ企業ターナリー・ソフトウェアの
ブライアン・ロバートソンがチームメンバーと共に開発した。ターナリーの経営を次のリーダーに引き継いだあと、
ロバートソンは、研修、コンサルティング、リサーチ企業のホラクラシーワンを共同設立した。
同社はこの新モデルの普及を事業としており、規模の大小を問わず世界中の営利、非営利組織で採用されるようになった。
モーニング・スター……食品加工/米国/従業員400~2400名/営利企業
モーニング・スターはクリス・ルーファーによって一九七〇年に設立されたトマト専門の生産・運送業者で、
今日、アメリカ合衆国におけるトマトの加工および運送分野で圧倒的なシェアを確保している。
パタゴニア……アパレル/米国/従業員1350名/営利企業
イヴォン・シュイナードという、おそらく史上最もビジネスとは縁遠いと思われる男が、
のちに「パタゴニア」と呼ばれる企業を設立してピトン(登山用の鉄製のくさび)の生産を始めたのが1957年。
カリフォルニアを拠点とするこの会社は、世界的なアウトドア用品メーカーに成長し、環境問題の改善
に本格的に取り組んでいる。
RHD……人事/米国/従業員4000名/非営利組織
リソーシズ・フォー・ヒューマン・ディベロップメント(RHD)は、フィラデルフィアを拠点にアメリカ合衆国の一四州で事業展開をしている非営利組織。
精神疾患、各種依存症からの回復、ホームレスといった分野でさまざまな形態の住居やシェルター、各種プログラムを提供して
支援を求める人々にサービスを提供している。ロバート・フィッシュマンによって一九七〇年に設立された。
サウンズ・トゥルー……メディア/米国/従業員90名と犬20匹/営利企業
サウンズ・トゥルーは、スピリチュアル・マスター(霊的な能力がある人たち)の録音、書籍、オンライン研修プログラム、
音楽などを通じて霊的な知恵を広める事業を行っている。タミ・サイモンによって一九八五年に設立された。
サン・ハイドローリックス……油圧部品/グローバル/従業員900名/営利企業
サン・ハイドローリックスは二人のエンジニアによって1970年に設立され、
油圧カートリッジ・バルブとマニホールドの設計および製造を手がけている。
現在はフロリダ(本社所在地)、カンザス、イギリス、ドイツ、韓国に工場を構える上場企業である。
目次
第1章 変化するパラダイム――過去と現在の組織モデル
第2章 発達段階について
第3章 進化型(ティール)
◆第II部 進化型組織の構造、慣行、文化
第1章 三つの突破口(ブレイクスルー)と比喩(メタファー)
第2章 自主経営(セルフ・マネジメント)/組織構造
第3章 自主経営(セルフ・マネジメント)/プロセス
第4章 全体性(ホールネス)を取り戻すための努力/一般的な慣行
第5章 全体性(ホールネス)を取り戻すための努力/人事プロセス
第6章 存在目的に耳を傾ける
第7章 共通の文化特性
◆第III部 進化型(ティール)組織を創造する
第1章 必要条件
第2章 進化型(ティール)組織を立ち上げる
第3章 組織を変革する
第4章 成果
第5章 進化型(ティール)組織と進化型(ティール)社会
著者
フレデリック・ラルー(Frederic Laloux)
マッキンゼーで10年以上にわたり組織変革プロジェクトに携わったのち、エグゼクティブ・アドバイザー/コーチ/ファシリテーターとして独立。2年半にわたって新しい組織モデルについて世界中の組織の調査を行い、本書を執筆。12カ国語に翻訳され20万部を超えるベストセラーとなる。現在は家族との生活を最も大切にしながら、コーチや講演活動などを行い本書のメッセージを伝えている。
[訳者]
鈴木立哉(すずき・たつや)
実務翻訳者。一橋大学社会学部卒業。コロンビア大学ビジネススクール修了(MBA)。野村証券勤務などを経て2002年から現職。専門はマクロ経済や金融分野の英文レポートと契約書等の翻訳。著書に『金融英語の基礎と応用 すぐに役立つ表現・文例1300』(講談社)、訳書に『世界でいちばん大切にしたい会社』(翔泳社)、『Q思考』(ダイヤモンド社)など。
[解説]
嘉村賢州(かむら・けんしゅう)
場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome's vi代表理事。コクリ! プロジェクト ディレクター(研究・実証実験)。京都市未来まちづくり100人委員会 元運営事務局長。集団から大規模組織にいたるまで、人が集うときに生まれる対立・しがらみを化学反応に変えるための知恵を研究・実践。研究領域は紛争解決の技術、心理学、脳科学、先住民の教えなど多岐にわたり、国内外問わず研究を続けている。実践現場は、まちづくりや教育などの非営利分野や、営利組織における組織開発やイノベーション支援など、分野を問わず展開し、ファシリテーターとして年に100回以上のワークショップを行っている。2015年に1年間、仕事を休み世界を旅する。その中で新しい組織論の概念「ティール組織」と出会い、日本で組織や社会の進化をテーマに実践型の学びのコミュニティ「オグラボ(ORG LAB)」を設立、現在に至る。