謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か
エドガー・H・シャイン(著), 野津智子(訳), 金井壽宏(監訳)
価格 | 2,200円(税込) |
頁数 | 320頁 |
判型・製本 | 四六判 上製 |
発売日 | 2017/05/15 |
ISBN | 9784862762252 | 発行 | 英治出版 |
内容紹介
コンサルティングの世界の常識を覆した「プロセス・コンサルテーション」、
世界中の人々の職業観に多大な影響を与え続けている「キャリア・アンカー」
に続く新コンセプト。組織心理学、組織開発の第一人者エドガー・シャイン最新刊!
■自分ではなく、 相手が答えを見出す「問い方と聴き方」
押しつけではない、本当に人の役に立つ「支援学」の極意(『人を助けるとはどういうことか』)と
自分ばかり喋るのではなく、「謙虚に問いかける」コミュニケーションの技法(『問いかける技術』)を
コンサルティングや支援の現場で活かす、という視点で書かれた実践的な本です。
■なぜ、「謙虚なコンサルティング」が必要なのか?
今日の組織は、解決に必要な知識や技術が自明でない問題に直面し、
「答えを提供する」から、「答えを見出せるよう支援する」へとコンサルタントの役割も変化。
クライアントが自ら真の問題に気づき、いま最もやるべきことを見出す「本当の支援」を実現するには、
自分では答えを出せないことを自覚し、謙虚な姿勢を選び、謙虚に問いかけることが不可欠なのです。
■25の事例から学ぶ、成功するコンサルティングと失敗するコンサルティングの違い
大失敗に終わった著者のコンサル第1号案件、たった一言でCEOを開眼させた「最高の支援」ほか
著者50年にわたるコンサルティング事例が満載。GE、P&Gなど実際の企業や組織の事例も多数。
「事例(背景、当事者の発言)」と「学び(失敗のワケ、成功要因)」を通して、実践のコツがつかめます。
「コンサルティングに関する書籍のなかで、シャインの著書ほど専門家の役に立つものを、私は読んだことがない。
コンサルティング業界は今また、本書によって、ふたたび変化をもたらされるだろう。まさしく必読の書である」
オットー・シャーマー 『U理論』(英治出版)著者、マサチューセッツ工科大学上級講師
原題 Humble Consulting: How to Provide Real Help Faster
目次
1 コンサルタントなのに、どうしたらいいのかわからない!
2 謙虚なコンサルティングはどのように新しいのか
3 互いを信頼し、率直に話のできる、レベル2の関係の必要性
4 謙虚なコンサルティングは最初の会話から始まる
5 パーソナライゼーション――レベル2の関係を深める
6 謙虚なコンサルティングはプロセスに集中する
7 新しいタイプのアダプティブ・ムーヴ
著者
エドガー・H・シャイン(Edgar H. Schein)
1928年生まれ。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院名誉教授。シカゴ大学卒業後、スタンフォード大学で心理学の修士号、ハーバード大学で社会心理学の博士号を取得。1956年よりMIT スローン経営大学院で教鞭をとり1964年に組織心理学の教授に就任。1972年から1982年まで組織研究グループの学科長を務めた。2006年に退官し名誉教授となる。組織文化、組織開発、プロセス・コンサルテーション、キャリア・ダイナミクスに関するコンサルティングを行い、アップル、P&G、ヒューレット・パッカード、シンガポール経済開発庁など多数の企業・公的機関をクライアントとしてきた。『キャリア・アンカー』(白桃書房)、『プロセス・コンサルテーション』(同)、『組織文化とリーダーシップ』(同)、『人を助けるとはどういうことか』(英治出版)、『問いかける技術』(同)など著書多数。
[監訳者]
金井 壽宏(かない・としひろ)
1954年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科教授。1978年京都大学教育学部卒業、1980年神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了、 1989 年マサチューセッツ工科大学でPh.D.、1992年神戸大学で博士(経営学)を取得。モティベーション、リーダーシップ、キャリアなど、働く人の生涯にわたる発達や、組織における人間行動の心理学的・社会学的側面を研究している。最近はクリニカルアプローチによる組織変革や組織開発の実践的研究も行っている。『変革型ミドルの探求』(白桃書房)、『ニューウェーブ・マネジメント』(創元社)、『経営組織』(日経文庫)、『働くひとのためのキャリア・ デザイン』(PHP新書)、『リーダーシップ入門』(日経文庫)など著書多数。
[訳者]
野津 智子(のづ・ともこ)
翻訳家。獨協大学外国語学部フランス語学科卒業。主な訳書に、『サーバントであれ』『シンクロニシティ【増補改訂版】』『チームが機能するとはどういうことか』(いずれも英治出版)、『仕事は楽しいかね?』(きこ書房)、『グレートカンパニー』(ダイヤモンド社)、『スタンフォード・インプロバイザー』『外資系キャリアの出世術』(ともに東洋経済新報社)、『夢は、紙に書くと現実になる!』(PHP研究所)、『5つのツール』(早川書房)などがある。