未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう――震災後日本の「コミュニティ再生」への挑戦
ボブ・スティルガー(著), 豊島瑞穂(訳), 野村恭彦(監訳)
価格 | 2,200円(税込) |
頁数 | 304頁 |
判型・製本 | 四六判 並製 |
発売日 | 2015/06/01 |
ISBN | 9784862761866 | 発行 | 英治出版 |
内容紹介
答えはいつも自分たちの中にある。
2011年の東日本大震災。混乱のさなかに日本を訪れ、人々とともに未来のための「対話」を始めた著者。いま何が必要なのか。何ができるのか。自分たちが本当に望むことは何なのか。問いと対話のプロセスを通して、ごく普通の人たちが、立ち上がり、ともに行動し始める。それは、それぞれの「幸せ」を問い直すことでもあった――。草の根の変革を支援してきたファシリテーターが、日本での物語と対話の手法を情熱をこめて綴る。望む未来を自分たちで創るための道標となる一冊。
目次
監訳者による序文
1.イントロダクション
裂け目と光
私たちの物語を語る
日本への扉――僕自身について
コミュニティの未来をつくる仕事
2.本書について
3.道を求めて――震災後の日本で僕が見たもの
失われた「旧い平常」
混乱の中で語り合う
持っているものを探せ
被災地へ
旅のあらまし
4.共に未来を創る――東北で生まれた新たな物語
立ち上がる!
世代を超え手をつなぐ
共に立つ
一人で行く
地元学
今どこからでも始められるところから
失ったものを嘆く
5.今、何が違うのか――個人の内側で起きた変化
前からすべてそこにあった
ばらばらの個ではなく
隠れた全体性
喜びと幸福から働く
いつものビジネスは終わっている
三年の後……
6.長き旅の始まり――石巻フューチャーセンターの挑戦
石巻のフューチャーセンター
「こはく」の活動内容
7.新世界を創る――あらゆる場所で人々は立ち上がる
8.新しい未来を共に見つめて――コミュニティを導く物語の創り方
並列する旧いものと新しいもの――2つのループ
新しい未来のための新しい物語
変容型シナリオ・プラニング
成果の指標
コミュニティと地域の未来のイニシアチブ
TVで現実を創造する――南アフリカの事例
武器を持たない戦士たち
前に進み出る――エンスピリテッド・リーダーシップ
新しい方向を見つける――U理論
新しい方向を見つける――カネヴィン・フレームワーク
価値、原則そして信念
9.コミュニティを蘇らせる――フューチャーセッションの仕事
一人ひとりから始まる
関心を持つ二、三人を見つける
質問が新しい行動につながる道を拓く
目的をはっきりとする
対話から行動、そして根本的な変化へ
他者と共に取り組む
対話の手法
サークル
アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
ワールド・カフェ
オープン・スペース・テクノロジー(OST)
プロアクション・カフェ
10.次は何か
パワフル・クエスチョン
著者
ボブ・スティルガー(Bob Stilger)
ニュー・ストーリーズ共同代表、社会変革ファシリテーター。1970年に早稲田大学に留学。アメリカで地域開発の仕事に従事した後、CIIS大学院にて博士号取得。2005~2009年ベルカナ研究所共同代表。地域や組織にイノベーションをもたらす対話の場づくりのプロとして、北米、南アフリカ、ジンバブエ、ブラジル、インドなどで活動。2011年の東日本大震災の発災後はたびたび来日し復興のための対話の場づくりに取り組んできた。www.newstories.org
[監訳者]
野村 恭彦(のむら・たかひこ)
株式会社フューチャーセッションズ代表取締役社長、金沢工業大学(K.I.T.)虎ノ門大学院教授、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員。博士(工学)。富士ゼロックス株式会社にて事業変革ビジョンづくり、新規ナレッジサービス事業KDI立ち上げなどに従事。2012年6月、企業、行政、NPOを横断する社会イノベーションを牽引するため、株式会社フューチャーセッションズを立ち上げる。著書に『フューチャーセンターをつくろう』、『イノベーション・ファシリテーター』(いずれもプレジデント社)、監訳書に『シナリオ・プランニング』、『発想を事業化するイノベーション・ツールキット』(いずれも英治出版)などがある。
[訳者]
豊島 瑞穂(とよしま・みずほ)
東京都出身、2001年より京都在住。外資系投資銀行,英字総合誌記者,心理学研究所を経てフリーのエディター&インタビュアー。『KYOTO JOURNAL』(www.kyotojournal.org)のコンサルティング・エディター、その他、カウンセリング分野の活動にも携わっている。