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世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法

世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法

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国連開発計画(著), 吉田秀美(訳)

価格 2,200円(税込)
頁数 304頁
判型・製本 A5判 並製
発売日 2010/11/15
ISBN 9784862760951
発行 英治出版

内容紹介

「革新的なアイデア」×「人と人のつながり」×「新たな市場への挑戦」

こんな仕事をしてみたい!――みんなにとって嬉しいこと。世の中を変えるようなこと。世界40億人の「切実な願い」=「本当のニーズ」に目を向けて、頭とハートで闘うビジネス! いろんな事例満載の実践ガイド。【フルカラー】

たとえば、いま、あなたが着ている服は、どこでつくられたものだろう?
使っている家具やパソコンはどうだろう? 今日の食事の材料は?
……もとをたどれば、私たちのまわりは、世界各地から来たものであふれている。

衣・食・住、エネルギー、医療、交通、社会のしくみ、ライフスタイル。
この世界のあらゆるものは、さまざまな形で絡みあい、支えあっていて、
私たちの生活は、そんな幅広い「つながり」の上に成り立っている。

この世界には、六四億の人がいる。二六億人は、一日二〇〇円未満の収入で暮らす。
数十億人の人々が、健康を保つのに必要な食事さえ、十分に得られない。

一見、私たちの生活とは何の「つながり」もないような、大勢の人たち。
しかし彼らの「貧困」は、私たちを含む世界全体にかかわる問題だ。

同時に、そこには切実なニーズと、ビジネスチャンスと、変革への夢があり、
多くの企業や起業家が、「利益」と「問題解決」をめざして乗り出している。

成功のカギは、「つながり」をつくることだ。

「BOP」(経済階層の底辺)と呼ばれる貧困層の人々に、
ただお金を与えて助けるのではなく、ただ物やサービスを売りつけるのでもなく、
彼らをビジネスに巻き込み、仕事をつくり、彼ら自身の力を活かすこと。

人々が世界とつながるとき、市場と仕事が生まれ、貧困を乗り越える力が生まれる。

国連開発計画(UNDP)は、「包括的な市場育成(GIM)イニシアティブ」の下、
そんな「世界とつながるビジネス」(=インクルーシブビジネス)を行う企業を研究してきた。
本書は、その報告書をベースに、豊富なケーススタディを加えてまとめたものだ。

パート1では、貧困地域におけるビジネスチャンスと五つの課題を示す。
パート2では、BOP市場での事業の成功を導く五つの方法を説明する。
パート3は、さまざまな業種における、示唆に富む一九の事例を紹介する。

ときどき、この世界では、思ってもみなかった所でイノベーションが起こる。
アイデアと行動力と情熱と、共感する心をもった人々が、
いま、手を取り合って、世界を大きく変えようとしている。

目次

1 すべての人に価値をもたらす―利益と幸福を生むビジネスチャンス(ビジネスチャンスは貧困削減のチャンス
インクルーシブビジネスの制約要因)
2 BOP市場開拓の5つの戦略(製品とビジネスプロセスを貧困層に適応させる
市場の制約を取り除くために投資する
貧困層の強みを活かす ほか)
3 ケーススタディ―インクルーシブビジネス実例集(伝統的なアグリビジネスを変革(ブラジル)
貧しい農民のためのコンピュータ(中国)
衛生的なトイレを作って不可触民を解放(インド) ほか)

著者

[著者]
吉田秀美(よしだ・ひでみ)
1991年、慶應義塾大学文学部史学科卒業。1996年埼玉大学大学院政策科学研究科修了。民間企業、NGO、財団、コンサルティング会社を経て、2008年より法政大学大学院環境マネジメント研究科准教授。学生時代に恩師や友人の影響を受けて放浪したのがアジアとの出会い。カンボジアでのNGO活動を皮切りに国際協力業界に足を踏み入れ、実務・調査研究に携わってきた。最近の研究テーマは、先進国企業や途上国の社会起業家によるビジネスを通じた貧困削減。