社会が変わるマーケティング――民間企業の知恵を公共サービスに活かす

大家フィリップ・コトラーが満を持して贈る、社会を変える方法＝ソーシャル・マーケティング！

「本書は、半世紀以上にもわたって民間企業で顧客満足を高め、売上と利益を上げるために使われてきた「マーケティング」を、社会に変革をもたらすために活用することを提案している。マーケティングの基礎から具体的な実践手法まで、そして世界中の豊富な事例を紹介する。中には日本では考えられないような事例もあり、公共分野に関心のない方も、興味深く読むことができるだろう」（訳者まえがきより）

イギリスの学校給食を劇的に改善した有名シェフ。サービス精神が豊富なアメリカの郵政公社。フィンランドを世界で最も健康的な国に変えた「ファット（肥満）からフィット（スリム）へ」運動。官民あげて取り組まれたヨルダンの水資源節約キャンペーン。ネパールの画期的なHIV対策。……世界各国で実践されている、優れた公共サービスとそのマーケティング活動。コトラー教授が豊富な事例で「社会を変える方法」を解説する。

第1章 市民の要望にこたえる 第2章 マーケティングの考え方を理解する ・事例:(米国)郵政公社のマーケティング戦略 第3章 サービスを創造する ・事例:英国における学校給食革命 第4章 魅力ある価格設定とは? ・事例:クリック・イット・オア・チケット 第5章 流通チャネルを最適化する ・事例:ネパールのHIV/エイズ問題 第6章 ブランドを創造する ・事例:エナジースター――「地球を守る」ブランド 第7章 効果的なコミュニケーションを行う ・事例:臓器の提供を増やす 第8章 顧客満足度を高める ・事例:フェニックス消防署「水のタンクを持った平和維持軍」 第9章 ソーシャル・マーケティング ・事例:フィンランドの「ファットからフィットへ」運動 第10章 戦略的提携関係を結ぶ ・事例:ヨルダンの水問題改善――提携関係を軸とした、人民のための、人民による活動 第11章 情報をいかに集めるか ・事例:マーケティング・リサーチを通して健康な国をつくる――南アフリカ 第12章 施策をきちんと評価する ・事例:環境保護に関する行動指数――結果を数値化し、次の行動を決定する 第13章 説得力のあるマーケティング計画を作成する ・事例:マーケティング部が、ブランド・イメージの番人になる――ニューヨーク市

［著者］
フィリップ・コトラー（Philip Kotler）
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院S・C・ジョンソン記念教授。マーケティング分野の世界的第一人者として、数多くの有名企業の相談役を務めるとともに、米国および海外の著名な大学から名誉博士号を授与されている。著作の多くは各国で翻訳され、高い支持を得ている。なかでもMarketing Management（邦訳『コトラーのマーケティング・マネジメント』）は、MBA向けのマーケティング教科書として有名。

ナンシー・リー（Nancy Lee）
マーケティング分野における長年の研究実績を活かし、1993年にソーシャル・マーケティング・サービス会社を設立。現在、米国政府および各地方自治体、海外の行政機関に対する数多くのコンサルタント業務を行っている。ワシントン大学、シアトル大学では、公共部門におけるマーケティング、ソーシャル・マーケティングおよび非営利組織におけるマーケティングの講座を担当している。

［訳者］
スカイライト コンサルティング株式会社
経営情報の活用、業務改革の推進、IT活用、新規事業の立ち上げなどを支援するコンサルティング企業。経営情報の可視化とプロジェクト推進力を強みとしており、顧客との信頼関係のもと、機動的かつきめ細やかな支援を提供することで知られる。顧客企業は一部上場企業からベンチャー企業まで多岐にわたり、製造、流通・小売、情報通信、金融・保険、官公庁などの幅広い分野で多数のプロジェクトを成功に導いている。 スカイライト コンサルティング株式会社 社会環境サービスグループ 次世代の社会を真に豊かで温かいものにすることを目指し、既存のコンサルティングサービスの枠にとらわれず、広く社会を対象としたさまざまな政策やプロジェクトを研究・企画・実践するグループ。現在の主な活動としては、児童福祉・地域活性化に関する政策提言のほか、公共部門の業務効率化に向けた民間活用や情報技術（IT）活用に関する支援がある。