0
Book
感じるマネジメント

感じるマネジメント

  • ¥1,430
    Unit price per 
Tax included.

リクルートHCソリューショングループ(編)

価格 1,430円(税込)
頁数 224頁
判型・製本 四六判 並製
発売日 2007/04/19
ISBN 9784862760029
発行 英治出版

内容紹介

世界30カ国、10万人?――前代未聞のプロジェクト、始動!

「歴史的・経験的に実証されたやり方で、理念浸透をやっていきたい」

世界第2位の自動車部品メーカー、㈱デンソーの佐藤人事部長(仮名)から発されたこのセリフから、すべては始まりました。

組織内の価値観やビジョンの共有をテーマに、「人と組織」のあり方を追求している、㈱リクルート HCソリューショングループ。そのメンバーに、世界30カ国、総勢10万人にのぼるデンソーの全社員で「価値観(デンソー・スピリット)を共有するには、どうしたらいいか?」という問いが投げかけられたのです。

そのスケールの大きさ、まさに前代未聞。しかし、「価値観を共有する」ことは、人々が"十人十色、百人百色"の価値観や働き方を探し求める現代において、どの企業・どのチームにも求められる根本的で重要な問題です。"一致団結"、"最高のチーム"をつくるには、これを考えなければ!



事例研究、「私には夢がある」、俳句、宗教・・・3年間の思索の旅。

リクルートHCのメンバーは、デンソーのスタッフと共に、「そもそも、理念を浸透させるとはどういうことか?」、「ビジョンとは何か?」、「価値観の共有には、何が必要なのか?」をめぐって東奔西走、試行錯誤を続けます。

数々の企業のケースを取材するだけでなく、古くから伝わる物語や、マーティン・ルーサー・キングJr.など優れたリーダーたちの「共感を得る技術」を探り、俳句の妙味やオーケストラの指揮など芸術の分野や、宗教にもヒントを探り、キリスト教の教会に取材に行くなど、型にとらわれない"思索の旅"を、楽しく真摯に、行っていきます。



そして見えてきた、人と組織にとって「ほんとうに大切なこと」。

その過程で見えてきたのは、理念や価値観、ビジョンというものは、決して上から「こう思いなさい」と押し付けるものではなく、人それぞれの"心の中にある宝物"を見つけ合いながら、"共有"するものだということ。その先に、"人が生き生きと自律的に働ける会社"の姿が浮かび上がってきます。

論理で「わかる」だけのマネジメントの時代は終わった。これからの時代に大切なのは、共感を得て人を惹きつけていく「感じる」マネジメントだ!――こう喝破したリクルートHCのメンバーが、侃々諤々のディスカッションを経てまとめあげたのが本書です。

共感を得る技術や仕組み、先を行く者に求められる資質、人がやりがいを持って働ける環境、人を幸福にする経営のあり方・・・。一つの「問い」から見えてきた数多くのヒントを、"デンソー・スピリット共有プロジェクト"のストーリーと味わい深いエッセイで語る異色の一冊。「心が洗われるビジネス書」の登場です!

目次

第1章 人事部長の不安
・価値観の「希薄化」という不安
・プロジェクトへの参画
・どの企業にも起こりうる
・その先にある問い

第2章 共に感じる力
・共感を得られる人、得られない人
・大統領のようなスピーチ
・共感の手がかり
・共感は共感から始まる
・「ライブ」だからできること
・つながりが生み出す力、つながりを生み出す力

第3章 理念浸透の手法を求めて
・先達に学ぶ
・理念浸透の「仕組み」とは
・仕組みだけでは、不十分
・日本型の人材育成にヒントがある
・スピリット浸透モデル

第4章 物語を語る知恵
・物語が伝える理念
・物語は内省を促す
・物語が理念を伝える
・物語をどう語るか
・物語の見つけ方

第5章 情景を生み出す言葉
・私には夢がある
・上るべき山を示し、一人ひとりを解放する
・会社の目的は何か
・情景を描く
・ビジョンを「憧憬」と訳してみる

第6章 「布教の時代は終わりました」
・それは、愛ではないでしょうか
・心の中の宝物を、共に見つける
・「浸透」への違和感
・「三つの道筋」のモデル

第7章 共に歩む決意
・face to faceとside by side
・伝道師はどこに
・憧れに向かって歩む決意
・行動主義的アプローチへの回帰
・伝道師の条件

第8章 余白をつくる勇気
・問いが、能動的な思考を生む
・十分間の余白
・神父の開放的な問いかけ
・説明し尽くさないことの意味
・余白で成り立つ芸術
・自律には余白が必要

第9章 私の中にスピリットはあった
・退屈な仕事
・身近なドラマの存在を知る
・自分の物語を語りあう
・スピリットの存在に気づく

第10章 憧れとつながる仕組み
・仕組みの暴走
・制度が、理念実践の成否を握る
・何のための調査か
・手段は目的を必要とする

第11章 つながりが生み出す力、つながりを生み出す力
・ブランドは、もろいもの
・強い組織は、理念を表現し続けている
・理念は、組織における意義の源泉
・信じることから始まる

エピローグ つながりは、世界へ

著者

[著者]
株式会社リクルート HCソリューショングループ
2001年10月に設立された、株式会社リクルートの戦略人事コンサルティング部門。組織ミッションとして、「一人ひとりが生き生きと働ける人と組織の新しいあり方を顧客と協働・創造し、社会に提唱すること」を掲げ、リクルートグループの知見を活かした、創造的・革新的な課題解決の創出と提供に取り組んでいる。主なテーマは、理念の共有、戦略の具体化と実行促進、戦略に基づく人事施策の立案と展開、人材を惹きつける組織づくりなど、「戦略と人・組織をつなぐ」領域。「最後まで顧客に伴走し、必ず課題を解決する」ことを信条とする。

高津尚志(たかつ・なおし)
株式会社リクルート HCソリューショングループ エグゼクティブ・コンサルティング・ディレクター。1989年早稲田大学政治経済学部卒業。日本興業銀行、ボストン コンサルティング グループを経て、2002 年にリクルートに入社。HCソリューショングループの発足初期から参画し、グループのメンバーと共に数多くのクライアント企業の課題解決に取り組んできた。リクルートではこの他、新卒採用領域の新事業である「就活2ndステージ」のビジネスコンセプト考案などにも携わる。次世代ビジネス・社会リーダーの育成に取り組む特定非営利活動法人「ISL」のパートナー。INSEAD(欧州経営大学院)MBA。ESCP(パリ高等商科大学)でマーケティングとコミュニケーションを専攻。桑沢デザイン研究所基礎造形専攻修了。