第2回『ザ・デイ・アフター・ピース』


大きな結果の裏側には、情熱に支えられた、何百万にもおよぶ努力の小さなステップが積み重ねられている。継続こそチカラなり。

公式サイト:http://www.ufpff.com/dap(UFPFF〈国際平和映画祭〉作品紹介サイト)

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9月26日(水)にこちらの映画の上映会を行います。

詳細、お申込みはこちらからどうぞ!

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ニューヨークの「平和の鐘」

ニューヨークの国連本部の中庭には「鐘」があります。

これは1954年に日本から贈られた「世界平和の鐘」で、当時の国連加盟国60数ヵ国のコインと銅とを合金してつくられ、世界平和のシンボルとなっています。国連が定めた「国際平和デー」、いわゆる「ピースデイ」の9月21日に行われる式典では、必ずこの鐘が打ち鳴らされます。

もともと「国際平和デー」は特定の日ではなく、9月の国連総会開会日に制定されていましたが、2002年からは9月21日に定め、世界の停戦と非暴力の日として、すべての国と人々にこの日一日は敵対行為を停止するよう働きかけています。

「世界平和」というとなんだか壮大な話に聞こえますが、個人のレベルに置き換えて考えると、たとえば学校から「いじめ」をなくそう、と考えることも立派な「ピースデイ」の過ごし方です。

自分に引き寄せてとらえることで、「平和」というつかみどころのないものが実感を伴って感じられるのではないでしょうか。自分自身の心の平和なしには、世界平和なんて望めないと思います。

1人の俳優が「平和の日」を生み出すまで

日本では9月14日から21日まで、「第2回国際平和映像祭」が開かれます。

この映像祭では、今、ある映画の自主上映を呼び掛けています。

それが、9月21日を「ピースデイ」と定めるよう働きかけたイギリス人のジェレミー・ギリが、停戦が守られ、実効性あるものにするよう奔走する姿を追ったドキュメンタリー『ザ・デイ・アフター・ピース』です。

このドキュメンタリーには、ダライ・ラマ14世やコフィ・アナン国連事務総長(当時)をはじめ、アンジェリーナ・ジョリーらが登場します。

華やかな顔ぶれから「素晴らしい考えだ!」という支持はあるものの、「この日だけは停戦する」ことを行動に移そうとすると、国際政治のドロドロしたポリティクスや国連の官僚組織が立ちはだかります。大手マスコミも無視。

ギリがロンドンのグローブ座で催した「ピースデイ」立ち上げイベントには、100名程度しか集まりませんでした。しかも、そのほとんどが彼の友人たちでした。

しかし、「祖父は原爆が投下されたナガサキで被爆した」というギリはめげません。

「1年に1日でいいから、戦争や紛争、あらゆる暴力を止めたい!」という願いに突き動かされたギリは、2007年、俳優ジュード・ロウを盟友に得て一緒にアフガニスタンに向かいます。

ユニセフなどの協力を得て、様々な接触を粘り強く重ねた結果、「9月21日は子どもの健康と未来のためにポリオ・ワクチン投与のキャンペーンを行う」という目的で、タリバンから「停戦合意」を取り付けたのです。

この1日のおかげで、治安の安定しないアフガニスタン南部と東部の140万人の子どもたちが予防接種を受けました。これまで、450万人の子どもがこの恩恵に与ることのできたのです。

ジェレミー・ギリ(右)とジュード・ロウ

 

クリエイティブな人々の「突破力」

この映画には、私のかつての同僚である国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ジュネーブ本部でスポークスマンを務めるエイドリアンも登場しており、個人的に嬉しいサプライズでした!

当時国連アフガニスタン支援ミッションのスポークスマンだった彼はアフガニスタン訪問したロウとギリのために記者会見を開き、予防接種のための停戦の呼び掛けに貢献しました。大きな国連組織の中で、エイドリアンやユニセフのアフガニスタン事務所の広報責任者ら、善意あるクリエイティブな人たちがつながったときに発揮する「突破力」を見た気がしました。

また、危険を顧みず、予防接種キャンペーンの呼びかけの先頭に立ったアフガン女性活動家のことばが印象的でした。

「ソ連がアフガニスタンを占領したとき、ソ連に反対して運動する私に、人々は言ったわ。気は確かかって。でも、今をご覧なさい。ソビエト連邦は消滅し、そしてこの私はアフガニスタンでしっかり生きているわ。今の私に怖いものなんてありませんよ」

アフガニスタン赤新月社の代表を務めるこの肝の据わった女性は、自分の国の将来を少しでもよりよいものにしたい、という気持ちから勇気をもって立ち上がりました。

画面から見える「華やかな面々」と「地道な活動」

映画では、軽い気持ちでアフガニスタンへの同行を願い出たロウが、現場に行って問題の深刻さに直接触れ、どんどん真剣になる変貌ぶりが見所です。

感性が豊かなアーチストは吸収力がすごい!

課題を見据える力を持ったセレブリティがこうしたキャンペーンに賛同して発信することは、大きな意味があると思います。

今年の9月21日「ピースデイ」では、ギリが代表をつとめるNGO「ピース・ワン・デイ」の主催で、ロンドンでエルトン・ジョンらのコンサートが開かれます。司会は、「ピース・ワン・デイ大使」になったロウ。

こうした華やかな表舞台の裏には、失敗も含めて何百万歩もの地道な活動があったことを、このドキュメンタリーは教えてくれます。

ジェレミー・ギリ

公式サイト:http://www.ufpff.com/dap(UFPFF〈国際平和映画祭〉作品紹介サイト)


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