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神経ハイジャック――もしも「注意力」が奪われたら

神経ハイジャック――もしも「注意力」が奪われたら

  • ¥2,640
    単価 あたり 
税込

マット・リヒテル(著), 三木俊哉(訳), 小塚一宏(解説)

価格 2,640円(税込)
頁数 536頁
判型・製本 四六判 並製
発売日 2016/06/20
ISBN 9784862762146
発行 英治出版

内容紹介

Book of the Year四冠、アマゾンBest Books of Month受賞
ピュリツァー賞記者が「現代人の病理」に迫る科学ノンフィクション

ながらスマホは命を奪う!?
飲酒運転以上の衝突リスク、20分の1まで視野低下、記憶が曖昧に。
脳はすごい。だが限界を超えるとコントロール不能になる。その先には…?

ニューヨーク・タイムズ記者が、人間の注意力を扱う最先端サイエンスと
謎めいた自動車事故をめぐる人間ドラマを織り交ぜながら、
テクノロジーが人間の脳にもたらす多大な影響力を探る。
※日本語版特別付録として、「ながらスマホ研究」の第一人者、
小塚一宏教授(愛知工科大学)による解説を収録。

「マルチタスクが可能な電子デバイスと、シングルタスクをむねとする人間の脳のあいだに存在する、
ときに命にさえかかわる緊張関係を解き明かす。読みだしたらやめられないだけでなく、
これは人の命を救える一冊だ」――ニコラス・カー、『ネット・バカ』『クラウド化する世界』著者

■もしも「注意力」が奪われたら? ある青年に起きた悲劇を、最新科学が解き明かす
2006年のある夏の日、米ユタ州に住む青年レジー・ショーが、運転中の「ながらスマホ」によって
衝突事故を起こし、2人のロケット科学者が命を落とした――。本書はこのレジーに焦点を当て、
悲惨な事故、警察の捜査、州当局による思いきった起訴(当時はほとんど前例がなかった)、
そして判決からレジー本人の贖罪までのドラマを丹念に追う。

またこれと並行して、人間の注意力、テクノロジーが脳に及ぼす影響について、
デイビッド・ストレイヤー(ユタ大学・認知心理学)、アダム・ガザリー(カリフォルニア大学・脳神経学)
ら科学者の知見をもとに紹介する。そこで明らかにされるのは、いまや私たちの日常にすっかり根づいた
各種デバイスが人間の奥深い社会的本能に作用し、刺激を求める脳の部位を疲弊させ、
結果的に限りない衝動、さらには依存症をも引き起こすという事実だ。

■テクノロジーが持つ多大な影響力を、ピュリツァー賞記者が掘り下げた話題作
著者は不注意運転のリスクと根本原因を明らかにし、広く警鐘を鳴らした一連の記事でピュリツァー賞を受賞。
本書は一般読者から研究者、ジャーナリスト、政治家までに絶大に支持され、Best Books of the Month(Amazon)、
Best Book of the Year(Kirkus Reviews, San Francisco Chronicleほか)などに輝いた。
(原題:A Deadly Wandering: A Tale of Tragedy and Redemption in the Age of Attention)

目次

プロローグ
第1部 衝突
第2部 審判
第3部 贖罪
エピローグ
おわりに
謝辞
訳者あとがき
解説(小塚一宏)
索引

著者

[著者]
マット・リヒテル(Matt Richtel)
『ニューヨーク・タイムズ』記者。テクノロジーが人々の生活に与える影響など、幅広いテーマを取材。不注意運転のリスクおよびその根本原因を明らかにし、広く警鐘を鳴らした一連の記事で、2010年にピュリツァー賞(国内報道部門)を受賞。小説も3作執筆している。カリフォルニア大学バークレー校、コロンビア大学ジャーナリズム大学院卒業。神経科医の妻、子ども2人とサンフランシスコ在住。

[訳者]
三木 俊哉(みき・としや)
京都大学法学部卒業。会社勤務を経て翻訳業。主な訳書に、『チャレンジャー・セールス・モデル』(海と月社)、『ヴァージン・ウェイ』(日経BP社)、『世界はひとつの教室』(ダイヤモンド社)、『ヘッジファンド(I)(II)』(楽工社)、『良い習慣、悪い習慣』(東洋経済新報社)など。 [解説者]
小塚 一宏 Kazuhiro Kozuka
愛知工科大学教授(工学部情報メディア学科)。名古屋大学大学院工学研究科修了(工学博士)。専門は交通工学。(株)豊田中央研究所にてETC(自動料金収受システム)の基礎研究や自動車用エンジンの燃焼研究に従事した後、2002年、愛知工科大学に着任。2004年からドライバーの動作・視線の計測解析、歩行中・運転中のスマートフォン操作の危険性などを研究。工学部長・工学研究科長(2011年度~2014年度)を経て現在、高度交通システム研究所長を兼務。