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DX×3P経営――日本企業のポテンシャルを解き放つ

DX×3P経営――日本企業のポテンシャルを解き放つ

  • ¥1,980
    単価 あたり 
税込

福原正大(著)

価格 1,980円(税込)
頁数 224頁
判型・製本 四六判 並製
発売日 2022/01/07
ISBN 9784862763112
発行 英治出版

内容紹介

【発売延期のお知らせ】
本書は2021年12月19日発売を予定しておりましたが、諸般の事情により2022年1月11日に発売延期となりました。読者の皆様には、深くお詫び申し上げますとともに、本書の完成までお待ちいただきますようお願い申し上げます。

なぜあの企業はDX推進に成功しているのか?

世界から押し寄せるデジタル勢の脅威に抗え――。
Googleよりも成長し、1500名のDX人材育成を目指すダイキン工業
全社で人材データの見える化と育成に取り組むライオンや日本郵便
HRテック起業家×ビジネススクール特任教授×政策アドバイザー
DX人材・組織づくりのフロントランナーが示す全社変革のロードマップ



【DXで事業戦略をたてる前に、考えるべきこととは?】

○DX(デジタル・トランスフォーメーション)の重要性は日々語られていますが、いま日本企業で課題となっているのが「DXに強い人と組織づくり」です。とくに伝統的な事業分野では、これまでの人材像・組織像とはまったく異なるあり方が必要にもかかわらず、十分な知見が蓄積されていません。

○著者は、日本・海外のビジネスパーソン60万人以上の人材データから見ても、日本の伝統企業に働く人材の潜在力は、国内外の人材評価データからも欧米トップ企業と比べても間違いなく大きいと主張します。この潜在力を活かせないのは、組織のヴィジョンと仕組み、人材育成の方向性、思考のバイアスの問題があるからなのです。

○これからはデータが前提となるソサエティ5.0に突入し、市場が大きく変わるため、「ソサエティ5.0時代に、自社がどんなヴィジョンと哲学のもとにイノベーションを起こすのか、どんなデータのプラットフォームになるのか」をアップデートし、それに則った人材・組織づくりが求められます。

○本書では、イノベーション企業に必要な要素として語られる3P(Philosophy・People・Process)のフレームワークにアップデートを加えながら、DX組織に向けたヴィジョンと哲学、人材戦略、プロセスという全社的な改革の道筋が描かれます。


世界から押し寄せるデジタル勢の脅威に抗え――。
Googleよりも成長し、1500名のDX人材育成を目指すダイキン工業
全社で人材データの見える化と育成に取り組むライオンや日本郵便
HRテック起業家×ビジネススクール特任教授×政策アドバイザー
DX人材・組織づくりのフロントランナーが示す全社変革のロードマップ

目次

はじめに

1 DX時代に企業は何が問われているのか
伝統企業の逆襲
 「ネジ商社」から「部品のプラットフォーマー」へ転身したボサード
 いち早くフィンテックに乗り出したJPモルガン・チェースやハネウェル
 株価成長率がグーグル超えのダイキン工業
DX時代の本質的な問い――「DXに強い人と組織」をつくろうとしているか?
 DXの本質について、経営トップで議論されているか?
 そもそものヴィジョンをアップデートしているか?
 新しいヴィジョンとDXにふさわしい人と組織をつくろうとしているか?

2 DXの本質と日本企業の課題
時代の転換を表す「ソサエティ5・0」
DXとは、データとデジタル技術を
前提としたイノベーション
データはとるものではなく「つくるもの」
 「自社にデータはある」の罠
 ヴィジョンがデータ構築の基礎となる
 EVを出すソニーのイノベーションDNA
デジタル技術に関する罠
イノベーションを起こす「人と組織」の基本は3P
データから見えてきた、日本企業の現状
 リスクを積極的に取れる層に力を与えているか
 意思決定者はデータを使おうとしない
 科学的データに基づく人材配置ができているか
 リスクの高い提案をつぶす組織の論理

3 DX×3P 経営戦略を問い直す
すべては「ヴィジョン」のリ・デザインから
 なぜダイキンはヴィジョンをアップデートしたのか
 顧客を取り巻く環境をヴィジョンに包含する
 ESG時代の企業の倫理観を問い直す
 ニューノーマルを前提とせよ
 先進企業が取り入れるSF小説によるヴィジョン創造
 トップが危機感をもってヴィジョンを伝えていく
データドリブンの経営
 データをヴィジョンに沿ってつくるとは、どういうことか?
 データの倫理性・個人情報保護
 プラットフォームを構築する4つの方法
組織のカルチャーをつくるフィロソフィー
 大企業とベンチャーの処方箋は異なる
 多くの日本企業がとりえる一手は両利きの経営
 2つのカルチャーをどう共存させるか

4 DX×3P 人材戦略を問い直す
DXに必要な人材の「コンピテンシー」とは
 個人としても求められる「地球市民力」
 コンピテンシーに深いところで影響する5つの気質
 チームとしての総合力を高める
 グローバルで加速する人材のデータ化
 コンピテンシーを伸ばすステップ
公正な360度評価を実現する
 評価のバイアスをどう是正していくのか
DXバイアスを乗り越える
 技術的なハードルを乗り越える
 10年後を見据えた採用戦略
【CASE】ライオン/コンピテンシー向上に全社で取り組む
【CASE】日本郵便/危機感をもって人材と事業改革に挑戦する
【CASE】ヴェオリア・ジャパン/「DXアンバサダー」と「DXサポーター」で社内に広げる

5 DX×3P プロセスを問い直す
データドリブンの探索型創造プロセス
 STEP 1 ヴィジョン仮説を立てる
 STEP 2 データ取得・蓄積
 STEP 3 データからインサイトを得る
 STEP 4 実験によって仮説を検証し、新たな価値を見出す
 STEP 5 新たな価値を提供する
 オフィスではなく家庭に向ける
組織の創造的なカルチャーをどう育むか
 「心理的安全性」が創造性を育む
 隠れた「弱さ」を見せ合える組織は強い
 買収や中途採用とカルチャーの問題
【CASE】サイバーエージェント/挑戦と失敗を奨励する「セカンドチャンス」カルチャー

おわりに

著者

福原正大
Masahiro Fukuhara
Institution for a Global Society株式会社(IGS)CEO
一橋大学ビジネススクール特任教授
慶應義塾大学経済学部特任教授
慶應義塾高校・大学(経済学部)卒業後、東京銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行。フランスのビジネススクールINSEAD(欧州経営大学院)でMBA、グランゼコールHEC(パリ)で統計学の修士号を最優秀賞で取得。筑波大学で最適化と極値論の研究を行い博士号取得。2000年に世界最大の資産運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現:ブラックロック)に参画し、AIを利用したモデル運用に携わる。35歳にして最年少マネージングダイレクター、日本法人取締役に就任。
2010年に、「人を幸せにする評価で、幸せをつくる人を、つくる」ことをヴィジョンにIGSを設立。ビッグデータとAI、そして脳科学の知見を基にした、科学的かつデータドリブンなDX組織改革コンサルティングを大企業中心に行っている。
主な著書に『ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方』(大和書房)、『人工知能×ビッグデータが「人事」を変える』(朝日新聞出版社)、『なぜ、日本では本物のエリートが育たないのか?』(ダイヤモンド社)などがある。