「人生をやり直しはじめたよ」
社会から嫌われ心を閉ざすギャングを、
日本とソマリアの若者たちが変えていく――!

BBC、アルジャジーラ、ソマリア国営放送、J-WAVE、日本テレビ…
各国メディアが注目!
「世界最悪の紛争問題」に挑む若者たちの奮闘記

「ソマリアなんて、誰も何もできやしないよ」
何度そんなことを言われただろう。

ある日知ってしまった紛争地の問題を、「何とかしたい」と思い立つ著者。
「無理だ」と言われ続けながらも、日本とアフリカで仲間を集め、
「自分たちだからできること」を探し続けた。

現実と理想のギャップ、答えが見えない無力感、仲間との対立……
数々の困難を乗り越えた末に出会ったのは、
「テロリスト予備軍」と呼ばれる同年代のギャングだった。


※2016年5月10日発売開始

試し読み|はじめに&1章(PDF)

著者紹介


永井陽右 Yosuke Nagai

日本ソマリア青年機構全体代表。
1991年神奈川県生まれ。早稲田大学在学中にソマリアの大飢饉と紛争の問題を知り、日本で唯一のソマリアに特化したNGO「日本ソマリア青年機構」を設立。2015年4月早稲田大学教育学部複合文化学科卒。同年9月よりロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの紛争研究修士課程に在籍。人間力大賞、小野梓記念賞など受賞多数。

著者ブログ更新中!



    日本ソマリア青年機構
    Japan Somalia Youth Organization

    世界最悪の紛争地のひとつ「ソマリア」の問題解決に特化した日本で唯一の学生NGO。日本人メンバー、ソマリア人メンバーから構成されており、そのほとんどが20代の「ユース」。主な事業として、ソマリアの隣国ケニアのソマリア人ユースギャングの「積極的社会復帰」「過激化防止」を目指す「Movement with Gangsters」、スポーツを通じた日本とソマリアの市民社会の関係構築を目指す「Cheer up Somali Sports Project(CSSP)」などを実施中。2016年度より、メンバー募集を全国に拡大化。

    日本ソマリア青年機構公式サイト

    主な登場人物

    ムナ
    ムナ(ムナ・イスマイル・アブディ)

    発言力も行動力も抜群! 頼れるムナ姉さん

    「ヨスケはいつも“たぶん”とか“思うに”と言うけど、それは違うわ。“やる”。やるのよ」

    ソマリア人メンバー初代代表。今は在ケニアクウェート大使館に勤務。前代表として、モハメド(現代表)に様々な助言を与え陰から団体を支えている。多くのソマリア人女性メンバーが口を揃えてムナのような女性になりたいというほど素晴らしい「大人の女性」である。

    モハ2
    モハ2(モハメド・イスマイル・アブディ)

    皆から愛される心優しきリーダー

    「このプロジェクトには、ギャングである君たちにしかできないことがある」

    ソマリア人メンバー2代目代表。日本人のようなきめ細やかさと確かなリーダーシップを持っており、メンバーから絶大な支持を誇るシャイボーイ。彼自身様々な問題を乗り越えてきた過去があるためにギャングたちの考え方や想いを非常に大切にしており、ギャングにとって一番の理解者でもある。

    ポール
    ポール(ポール・ティオンゴ)

    活動を影から支える、童顔のケニア人ドライバー

    「おはようヨスケ! さっそくキベラに向かうよ!」

    2011年夏に出会ってから現在に至るまで、当機構メンバーが常にお世話になっているケニア人タクシードライバー。がっしりとした体つきとは裏腹にとても童顔で物腰穏やか、そして時間に正確。彼に会うと心が落ち着く。現地活動の多忙なスケジュールに毎日付き合い、日本ソマリア青年機構の活動をいつも見守り支えてくれる優しいパパ。

    ファラハン
    ファラハン(ファラハン・モハメド・ハンシ・ファラハン)

    ギャングにも物怖じしない熱い男

    「私の友だちも数人ギャングになってしまった! 彼らは道を誤ったユースたちだ!」

    喋り方が特徴的な熱意滾るソマリア人男性で、現地での交渉やファシリテートを主に担当。豊富な経験と大きなジェスチャーを武器にとにかくアクティブに動き回り周囲をリードしてくれる。プロジェクト中に秩序が乱れたりしたときは、“リスペクト!(敬意を!)” などと大声で叫びギャングたちとも対等に渡り合う。

    リバン
    リバン(リバン・アブディサラン・モハメド)

    頼れる日本チームとソマリアチームのパイプ役

    「ついにスキルトレーニング講座がスタートしたよ! 起業やビジネス、リーダーシップにマネジメント。ギャングたちもしっかり来ている!」

    笑顔が素敵なソマリア人メンバー2代目副代表。タワカルクリニックから当機構に出向してきた青年で、無邪気な笑顔を振りまきつつ懸命に働いてくれる。日本側とソマリア側のパイプ役でもあり、素晴らしいレスポンススピードで僕らを繋いでくれている。プロジェクトの内容や主旨を非常に深く理解しており、ファシリテーターとしても大活躍。

    グリード
    グリード(グリード・ハジ・フセイン)

    南アフリカへの移住を決意した元ギャング

    「南アフリカに行くことを悩んでいたとき、僕を迎え入れてくれた君たちのことを思い出したんだ」

    プロジェクトに2回参加し現在はリターニングギャングとしてプロジェクト運営側で活動した後南アフリカへ移住。移住直後に外国人排斥運動(ゼノフォビア)が起き暴動に飲み込まれケープタウン付近まで避難し現在はそこで生活している。2回目のプロジェクト参加時より本格的にギャングから抜け出したいと思いはじめ移住を決意したので、現在も同じように悩めるギャングたちへの助言を積極的にしてくれている。

    モハモハスレイマン
    モハモハスレイマン(モハメド・モハメド・スレイマン)

    ギャングたちの社会復帰をリードする元ギャング

    「人生をやり直しはじめたよ。先週から勉強を続けているんだ」

    プロジェクトに3回参加したのち、現在は当機構の準メンバーとして活躍中。幼い頃に両親が離婚、生活困に直面しギャンググループに加入してしまう。過酷な経験から社会に激しい憎悪を抱きギャンググループに加入したが、プロジェクトを通して同じような境遇にあるギャング達のロールモデルになりたいという思いを持つようになった。今は職業訓練を必死に受けながら、ギャングたちをリードしてくれている。

    モーゲ
    モーゲ(ファラハン・モーゲ・マディ)

    武装勢力に加入してしまったギャング

    「キスマヨに来い。案内してやるよ」

    ギャング組織のリーダー格としてプロジェクトに2回参加したのち、ソマリアの湾岸都市キスマヨに武器を持って移住し武装勢力に加入。スキンヘッドにネクタイとオシャレな見た目だが、頭部にはギャング間闘争にて斧で切られた傷跡が生々しく残っている。定期的に挑発的なメッセージを武器の写真とともに送ってきており、その対応は今も続いている。

    アハメドさん
    アハメドさん(アハメド・アブドゥラヒ)

    ソマリアの最前線で働くスマートな紳士

    「今朝のテロで甥っ子が死んだよ。……ヨスケ、考えろ。お前に何ができる?」

    元アフリカ連合ソマリアミッション職員で現在はアフリカ連合ソマリアミッションとともに開発関係の仕事をしている。長らくイギリスで育ったとこもありとにかくスマートで頭が切れる。現在消息不明。

    エネレさん
    エネレさん(エネレ・ソポアガ)

    偶然出会った、後のツバル首相

    「でもな、ヨスケ、この狭さが大切なんだ。法の支配や力による統治などではなく、人と人のつながりが平和を創り上げる」

    現ツバル首相。国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)では議長級のポジションにおり、地球温暖化対策に尽力している。大の釣り好きでツバルにいる間は自ら海に繰り出し自作の仕掛けで魚を次々釣り上げる。故郷のツバルを何より愛している心優しき人。

    坂田さん
    坂田泉さん

    大切な言葉「Realization」を教えてくれた人

    「永井君に僕が一番大切にしている言葉を教えてあげよう」

    活動に悩んでいた著者に、後に団体の活動理念にもなる「Realization」という言葉を教えてくれた人。常に黒い服装で大きなメガネをしているのが特徴。かつてはケニアのジョモ・ケニヤッタ農工大学で建築デザインを教えていた傍ら、現地の人々を絵に描きムチョラジ(絵描き)と呼ばれていた。現在は一般社団法人 OSAジャパンの会長としてさまざまな国際協力プロジェクトに従事している。