キガリ市の総人口は、2010年現在で約180万人。そのなかでも低所得者居住地、いわゆる「スラム」にすむ人口が約126万人と言われています。

このような居住地で、下水道や浄化槽が整備されていないトイレを使っている世帯が21.6万世帯あります。業界用語ではこのようなトイレを竪穴式トイレ(pit latrine)と呼びます。

竪穴式トイレというのは、地面に2?10立方メートル程度の竪穴、つまり便槽を掘った後に、その上部をセメント(もしくは土)の床で覆い、中央に穴をあけた構造のトイレです。

このような竪穴式トイレは、なかに汚物が溜まってくるにしたがって、不衛生になりがちです。ハエ・蛆・ゴキブリ・蚊などが集まってくる。そして、屎尿が分解してアンモニア臭が発生する。

そして人は誰でも、他人に見られずに捨てたいものがあります。生理用品・コンドーム・おむつ・家庭ゴミなど、もろもろ竪穴式トイレに捨てられます。その結果、実際のトイレはもっと複雑な悪臭になっています。

この状況に対して、いろいろなものをエサにして増殖できる微生物を竪穴式トイレに放り込み、悪臭源を分解させて、ひとまず臭いの問題を解決するのが、当社の微生物資材OSSです。

竪穴式トイレにOSSを使ってもらい、蓋をして、キレイに管理する習慣がつくと、かなり快適な空間になります。でも、その快適さにも、期限があります。トイレを汲み取りするサービスが、極めて少ないからです。

さて、ここで問題です。もし、あなたの家庭でトイレが一杯になってしまったら、どうしますか?もう、すぐそこまで汚物が溜まっている。新しく掘るには、時間も金も場所も必要だけど、あなたには全部ない。

現実的な対策として、汚れていいバケツを用意して、とりあえす汚物を汲みあげる。…そして、それをどうすればいいでしょうか?下水処理施設まで汚物のはいったバケツを持って、何kmも歩けますか?

良心的な捨て場所として、近隣の家のトイレが考えられます。でも、「すいませーん、ちょっとウチの汚物を捨てさせてください」とは言いにくい。結局、夜中にこっそり、その辺の側溝や路地に捨てるでしょう。

そこに雨が降れば、あっという間に周囲の水が汚染されて、感染症や下痢などの病気が発生します。OSSは、いくらか汚物の分解を促進しますが、やはり物理的に汲み取るには及びません。

バキュームカーは、台数はまったく足りないですが、浄化槽の汲み取り会社などにあるようです。しかしながら、スラムの細い道には、とても入っていけません。

人が1人通るのがやっとの狭い路地を、今日も当社のスタッフが、テストユーザーのトイレをまわっています。メジャーを片手に、OSSでどのくらい便槽の汚物を分解促進できているのか計っています。

この状況に、どのような解決方法があるのか。スラム専用に開発された、手動ポンプによる汲み取りビジネスなどもあるようです。しかし、私もまだ勉強不足です。誰か、情報やアイディアがあれば教えてください。

 

2 Responses to アイディア募集中です。

  1. shimoda より:

    とても難しく、差し迫った問題だと思います。
    最後の文章を読むまで「ポンプかな?」と思いました。

    ただ、手動ではなくて”足踏み”です。
    IDEという団体が開発した、零細農家に水を引くための足踏みポンプを想定しています。足の方が労力が少なく済むかもしれませんし、値段も安価なのでメンテナンスがしやすそうです。
    “捨てる場所”の問題もありますね。
    もし発熱するなら燃料として再利用……という方向も考えてみました。

    あるいは、ケニアで成功しているEcotactのIkoToiletのような有料トイレ事業も適用可能かも?

    ジャストアイデアで恐縮です!

    • 長谷川 竜生 より:

      下田さん、さっそくのご意見ありがとうございます。
      なるほど、確かに足踏みポンプのほうが、
      力も入るし労力も少なくできそうですね!

      以前、タンザニアでバイク用のパンク修理キットを、
      いつも携帯していたのですが、
      日本のホームセンターで買った
      足踏み式の空気入れは、とても優れていて、
      よくタンザニア人に「それ売ってくれ!」と言われていました。

      汚物中にはいろいろなものが混じっているので、
      どのような構造でもポンプはすぐに詰まるようです。
      ルワンダは「ビニール袋」の使用を厳しく制限しているので、
      比較的マシですが、あれが1番厄介だそうです。
      あとは布とか、注射針とか、とにかく厄介。

      だから、詰まったらすぐに分解して、
      詰まっているものを取って、
      再び組み立てられる構造が理想的。
      誰もそんな作業、素手ではしたくないから、
      ゴム手袋をしたままで分解できる構造がいい。
      そういうデザインならメンテナンスもしやすい・・・というのですが、
      それがどういうものなのか、私は機械に疎いのでよくわかりません。

      もう1つ言えば、例えば自動車のように、
      優れたポンプを外国で作って、
      アフリカに輸出したほうがいいのか、
      それとも現地の人々でも簡単に模倣できるデザインを考えて、
      どんどんコピーしてもらったほうがいいのか・・・
      そのへんもよくわからないです。

      一見、後者のほうがいいようにも思えるのですが、
      これだけ圧倒的に日本車がアフリカで信頼されて、
      それこそ擦り減るまで乗られているのを見ると、
      私は前者のほうがいいのでは、とも思います。

      おそらくトイレの汲み取りの問題は、
      すべての途上国で、ある程度普遍的なものです。
      市場はとてつもなく大きい。
      今度帰国したら日本でポンプを作っているメーカーをまわって、
      そういうものが世界にニーズがあることを説明してみようかと
      思っています(たぶん理解されるのは、とても大変ですが)。

      ”捨てる場所”の問題・・・これがまた頭の痛い問題です。
      よく江戸時代のように肥料にすればいいのでは、
      と言われるのですが、
      現代のトイレの汚物はいろいろなものが混じりすぎていて、
      とても畑に戻すのが難しい。
      その点、燃料っていうのはアリかもしれませんね!

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