アフリカでの四肢障害者支援に燃える日本人女性の挑戦 ~まず「一人」のために、「一つ」動いてみること~

昨日聞きに行った講演のお話をしようと思います。

 

 

 

ムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト

 

 

簡単に言うと、四肢に障害を持つ方々の支援をしている団体です。

アフリカのルワンダ・ブルンジ2カ国で、具体的にはこんな活動を行っています↓

 

■義肢装具の作成と四肢障害者への無償配布(巡回診療含む)

■現地人の義肢装具士の育成

■障害者たちの職業訓練・雇用促進

■障害者スポーツの普及

 

1994年のルワンダ・・・

そこでは100日間で80~100万人が殺されるというジェノサイド(大量虐殺)がありました。

マチューテ(農業用のナタ)で直接人を切り刻む、

この世の悪夢とも言える状態がそこにはありました。

 

その時に腕や足を切り落とされた人はもちろん、

医療ミスによって手足に障害を持ってしまった方、

更にはポリオなどで手足が不自由になった方、

そんな方々の支援をしていて、

これまで17年間で約6000名の障害者に義肢を提供してきたそうです。

 

また、現地で育成している義肢装具士の8割は、

自身も障害を抱えている方々だと伺いました。

 

そんな活動をなさっている講演者のルダシングワ・真美さんのお話を聞き、

強く印象に残った事を2つ綴ってみようと思います。

 

 

 

なぜ活動を始めたのか
~「無数の統計上の数字」を超える、「たった1」の持つ力~

 

活動の始まりは1996年。

真美さんがこの活動を始めた理由、

それは、

 

ルワンダ人の足の不自由なダンナに出会い、惚れたから

 

 

ダンナさんを日本に呼んだ際に、義足が壊れたことがあったそうです。

そこで日本の義肢製作所を訪れた際、ダンナさんはこう仰いました。

 

「この技術は必ずルワンダでも必要とされる!」

 

そして真美さんは、義肢制作の技術を学び、

ルワンダでの義肢支援を始めてゆきます。

 

「ルワンダには~万人の障害者がいて、だからなんとかしたかった!」

 

そんな話ではないんです。

「愛するたった一人」への想いが、真美さんを動かす原動力になったのです。

 

僕はこのブログでも講演をする時でも、ずっとこう言い続けてきました。

 

大きな数字の中にある、

それぞれの小さな『1』を大切に

 

真美さんのお話を聞いていて、改めて確信しました。

 

講演の中で、虐殺の被害者の方々の頭蓋骨が無数に列ぶ写真が映されました。

それを見た僕の心の中にどんな感情が芽生えたでしょうか?

 

怒り?

悲しみ?

 

違うんです・・・

 

「うまく感情が湧かない」んです

 

本来その頭蓋骨一つひとつに、

生きていた方々の尊いそれぞれのストーリーがあったはずなんです。

それが一つ失われるということは、とっても悲しいことのはずなんです。

 

でも・・・いや、だからこそ、

あまりにも悲しい「一人の死」を、80万人分・・・

それを感じ取れるほど、人の心は強くありません。

感じ取ってしまえたら、心はきっと壊れてしまいます。

 

そうならないように、脳が心に麻痺をかけた・・・

 

人間に備わったある種のセーフティネットが、

僕の感情を止めたのだと思っています。

これは、実際に2年半前にルワンダの虐殺記念館に行き、

無数の亡骸を目の前にした時も一緒でした。

 

それを証明するように、

その後語られた「ある一人の女性」のお話には、心が反応したのです。

 

その女性は大量虐殺の時、

親指以外の指を切り落とされ、

顔を切り刻まれ、

耳を半分削ぎ落とされたそうです。

 

聞いた瞬間、心と、彼女の傷ついた場所と同じ自分の身体に、

鋭い痛みが走ったように感じました。

 

「無数の頭蓋骨」を見ても反応しなかった感情が、

「たった一人の女性」の話で動いたんです。

 

だから、真美さんが活動を始めた理由が。

「ルワンダには~万人もの障害者がいるから」ではなく、

「愛するたった一人のダンナに惚れたから」という理由をあげたとき、

改めて「1」が持つ力を感じました。

 

「~万人」という統計上の莫大な数字のインパクトを、

「たった一人」のストーリーが凌駕するのです

 

 

 

まずひとつ動いて、10が見える

~旅に出て始めて気付く必要な荷物もある~

 

真美さんはご自身のことを、

「できそうもないことには挑戦せずにやめてしまう臆病なところがある」

と仰っていました。

 

僕もです(笑)

 

ただ、ダンナさんが「NO」を言わない方で、

どんどんチャレンジをしていく性格だそう。

 

バランスの取れた、良いコンビなんでしょうね!

 

そんな真美さんがまず義肢制作とその無料配布を始めて活動して行く中で、

様々な「次の1歩」が見えてきたと仰っていました。

 

たとえば、「障害者の自立支援の必要性」です。

義肢を配って歩けるようになったとしても、

それはただ歩けるだけであって、

それだけでは彼らの生活(収入面)にプラスをもたらせないと気付いたそうです。

そこで始まったのが、障害者の職業訓練事業。

 

こうして「障害者に自立を!」というコンセプトが見えたとき、

また別の事に気がつきます。

「人に『自立を!』と言ってる割に、自分たちの活動は寄付金頼みじゃないか」

その気付きから、収益基盤を強化するために、

ゲストハウス・レストラン事業も始めます。

そこでの収益を全て、義肢支援に回すという計画です。

 

今でこそこうして様々な事業を展開されていますが、

果たして真美さんは最初からこのシナリオを全て描けていたのでしょうか?

 

答えは、NOだと思います。

 

まず「義肢支援」ということを始めてみた。

やっていく中で、「障害者の自立支援」の必要性に気付かされた。

その気付きから、「自分たちの組織の財政的自立」にも目が向くようになったのです。

 

まずひとつ動いてみて初めて、

次の2や3が見えて、

10が見えるようになっていく

 

真美さんのお話を伺って、そう感じ取りました。

 

最初から必要な荷物を完璧に揃えて旅立つことはできません。

旅を始めて、道中で初めて気付かされる必要な荷物があり、

それをその都度現地調達していけばいいんです。

 

案ずるより産むが易し

 

完璧な計画を立てるのに一生懸命になり過ぎず、

「まずひとつ産んでみる」

そんな姿勢が大切なんだと教わりました。

 

 

 

・・・

 

 

 

上記の2つの気付きをまとめると、

この記事の副タイトルの通りになると思います。

 

 

 

まずは

誰か「一人」のために

たった「一つ」動いてみること

そこから全てが始まる

 

 

 

真美さんたちが17年間頑張ってきた活動。

去年の10月のルワンダの大雨による洪水で、

施設や患者のデータなど、全てが没してしまったと伺いました・・・

おそらく、計り知れない絶望感だったと思います。

 

それでも、現地の人たちの笑顔に励まされながら、

また再出発を遂げているそうです。

 

真美さんは4月23日までは日本にいるそうで、

講演もまだいくつかあるみたいです↓

 

http://www.onelove-project.info/report.html

 

読者の皆様も、ご都合合うひ日があればぜひご参加ください。

一度真美さんのお話をぜひ聞いて欲しいです。

 

そして、「何かお手伝いしたい!」と思ったら、

アクションを起こしてください。

僕も、昨日は「11日」だったので「1100円」募金しました。

パンフレットに書かれている「必要とされていること」を書き出しますね↓

 

■活動を進めるための資金援助

■障害者のための杖・車椅子・義足材料など

■ボランティア(事務仕事・ルワンダで日本語を教えることのできる人など)

■障害者自立のための技術支援

 

より詳しくは、HPに載っています↓

http://www.onelove-project.info/support.html

 

とっても気さくな方でしたので、

僕ももう一度ルワンダに行く際には、

ゲストハウスに泊めていただき、

施設も見学&お手伝いさせてもらえたらなって思います。

年内に行けるかな・・・

 

 

 

こんな感じで、昨日の講演会のまとめを終わりにします!

読んでくれてありがとうございました。

感想などあればぜひコメントを!

 

アフリカでの四肢障害者支援に燃える日本人女性の挑戦 ~まず「一人」のために、「一つ」動いてみること~」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    はじめまして。バングラデシュで障害者の研究をしている大学院生のしょうこと言います。
    「女性 障害者」で検索したらヒットし、面白いブログだったのでコメントを送らせていただきました。

    ルワンダで義足の男性と結婚、その後旦那さんとルワンダで義肢に関わるお仕事をしている真美さん、本当に素敵ですね!
    私の目指す究極のゴールです、まさに(笑)いや、笑い事ではなく本当に!

    今私はバングラに調査のため長期滞在しており、院卒後はバングラで障害者に関わる仕事がしたいと思っています。
    今そのために色々思案中なのですが・・・いやー難しいですね。

    ”まずは誰か「一人」のために たった「一つ」動いてみること そこから全てが始まる”って本当にそうだなぁって思います。
    どうしても国際協力っていう立場だと、大きな問題を解決せねばっていうスタンスになるけども、それって結局現状に即してなかったり、矛盾が生じたりしてたりする。
    そうじゃなくて、上村さんが言うように行動することが、世の中には求められてるし、人々がすべきことなんだよなぁと思います。

    私は最近こっちで彼氏ができて、彼は障害者支援NGOで義手義足を製造する技術者の助手として働いています。
    将来はこっちか日本で障害者支援の仕事を彼と一緒にしたいと思っています。
    なので、真美さんとその旦那さんはまさに私たちのお手本なのでは!?とちょっとテンション上がったんでコメントするに至ったわけです(笑)

    上村さん、ブログを終了されるですね。ご就職おめでとうございます。
    上村さんのプロフィールを拝見すると、面白い経験を色々お持ちのようですね。
    ぜひ今後も何かの形で上村さんの手記を拝見したいです。
    ちなみに、障害者関連の情報を他にも何かお持ちでしたが教えていただけると大変助かります。
    今後もご活躍をお祈りしています。

    返信
    1. ゆーや 投稿作成者

      〉しょうこさん

      はじめまして、コメントありがとうございます!
      真美さん、本当に素敵な方です。
      しょうこさんの現状をお聞きして、本当に真美さんみたいだと思いました!(笑)

      「障害」「途上国」をキーワードにするなら、こちらの本がオススメです↓

      『ピア・ボランティア世界へ―ピアとしての障害者の国際協力』
      著:久野研二、現代書館
      http://booklog.jp/users/fantasista10/archives/1/4768435157
      ↑書評が書いてあります。

      それと、こちらのミライロという会社の言う「バリアバリュー」という考え方にとても共感しています。
      http://www.mirairo.co.jp/company/vision/

      似たコンセプトで、こちらも↓
      ■ダイアログ・イン・ザ・ダーク
      http://www.dialoginthedark.com/did/
      ※暗闇の中で、“いわゆる”健常者が、視覚障害者にアテンドしてもらう

      ご参考になれば!
      言葉綴りも、ここではなりますが、また別で始められたらと思っております。
      その際はこちらのブログでもご案内をします!

      今後ともよろしくお願いいたします。

      上村ゆーや

      返信

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