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僕自身の実体験や、人との出会い、本などから学んだ事をまとめてみました。

“きき上手”を目指して意識し始めた3つの「きく」の使い分け。

ユダヤの格言でこんな言葉があります。

 

人には口が一つなのに、

耳は二つあるのは何故だろうか。

それは自分が話す倍だけ

他人の話をきかなければならないからだ。

 

この言葉からも「なるほど~」と思わされますが、

僕は「きく」という行為をとっても大切にしているつもりです。

やり方によっては、非常に能動的な行為だとも思っています。

 

実は上記の名言、ちょっとした細工をしました・・・

 

「聞く」の字を“ひらがな”にしたんです。

理由は、僕の中で「きく」は3つの種類があるからです。

 

そんな3つの「きく」について書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

(1)「聞く」=Hear

 

「自然と耳に入る」という意味合いの強い「きく」です。

そこまで相手の話に意識は向いていません。

 

ってことで、一番程度の低い「きく」だと思っています。

 

・・・が!

これはこれで大事な時もあるんです。

 

優しすぎる人って、この「聞く」ができないと思うんです。

 

つまり、聞こえてきたあらゆる声を全部真に受けてしまう。

聞き流すことができない。

 

これって、疲れちゃいますよね。

 

真に受けなくていいこともたくさんあるんです。

「なんか聞こえてきたな~。まっ、いっか」

くらいで良いときもあるんです。

 

だから、この「聞く」技術もぜひ大切にして欲しいです。

 

 

 

(2)「聴く」=Listen

 

文字の通り、“目”と“耳”と“心”を“十”分に使って「聴く」と言われています。

「傾聴」なんていう時にも、この字が使われますよね。

 

相手の話に意識的に耳を傾ける状態です。

 

ただ、この意識の傾け方には2パターンあると思っています。

 

(1)「自分のものさしを当てながら聴く」

相手が話している内容に集中しているのは確かです。だけど、その内容に聞いたそばからいちいち自分の思いや考えとすり合わせてしまうんです。つまり、相手が話している間、自分の意見を考えている状態。僕は「傾聴」の初期段階としてこれは好ましくないと思っています。

(2)「相手のものさしで理解しようと聴く」

「傾聴」としてあるべき姿勢はこちらだと考えます。つまり、「この人は、どういう背景で、どんな哲学があって、どんな過去の経験から、こう思っているんだろう?」と理解に努めるんです。相手の背景・哲学・経験、これらが相手の考えのものさしになっています。

 

(1)を(2)にするために重要なキーワードが「確信の保留」だと考えています。

この言葉自体は、『集合知の力、衆愚の罠(著:アラン・ブリスキン他、英治出版)』という本で出会いました。

聞いたそばから自分の思いや考え(確信)とすり合わせないということだと思っています。

 

僕はこれを意識するに当たって、「理解」と「同意」のフェーズを分けるようにしています。

 

「理解」とは、上記の(2)のように、相手のものさしを知り、それを当てて相手を深く知ることです。

それができた上で、「それは自分と同じ意見なのか・違う意見なのか」という「同意」のフェーズがあるんです。

 

この2つのフェーズを完全に分けて、まずは「同意」のフェーズは脇に置いておく。

まずは相手のものさしを知ることに全神経を傾けて「聴き」、「理解」に努める。

それができた上で、参考となるように自分のものさしから見えた景色も伝える。

 

最後の一行からも分かるように、実は「自分のものさし」も大事なんです。

押し付けにさえしなければ、相手の世界観を広げてあげられる可能性があるからです。

多種多様のものさしから意見を集められる「多様性」は、

チームにとって非常に建設的な文化になり得ると思います。

 

とはいえ、「傾聴」の第一段階としては、相手のものさしを知りましょう!

というススメです。

 

それでは、相手のものさしを知るために重要な、最後の「きく」に移ります。

 

 

 

(3)「訊く」=Ask

 

より深く「聴く」ために、「問いかける」ことです。

相手の話を聞いている時の口の挟み方は三つあります。

 

(1)「アドバイス」

話を来て欲しいと思っている相手の80%(感覚値)は「アドバイス」を求めていません。ただ自分を分かって欲しいという時に、アドバイスしたがり屋さんは面倒ですらあります。「あーこの人は自分の意見を言って私を説得したいだけだ」と思われたら最後。きっと本音を心の奥にしまい込んで、引き出すことは困難になります。アドバイスは、「どう思う?」と尋ねられた時だけする、くらいのつもりでちょうどいいと思っています。

(2)「相づち」

これはとても大切です。完全にシーンとしながら聴いていたら相手は不安になりますから(笑)相づちのコツは二つあると思っています。一つ目は、「同じ相づちばかり繰り返さないこと」。毎回「そうなんだ~」「そうなんだ~」「そうなんだ~」ばっかり言っていたら、相手は「こいつ本当に聴いてるのか?」ってなります。複数使い分けましょう。二つ目は、「ミラーリング」です。簡単に言うと、相手が使った言葉をそのままオウム返しするんです。「今、仕事が辛いんだ~」という言葉に対して、「そっか~、仕事辛いんだね」と言ってあげることです。これは、いきなり「それは大変だね~」とこちらの勝手な“評価”をするよりも、相手が「あ、ちゃんと自分が言ったこと分かってくれている」と安心できると言われています。もっと極端な例を出します。「私、自殺したいと思ってる。」と言われた時、「絶対駄目だよ!!!」という返答は、気持ちはよく分かりますがGoodではないと思っています。「自殺したいと思っちゃうほど今辛いんだね。何があったか話せる?」僕だったらこんな感じに「訊く」ようにします。決して「自殺したい」の気持ちを最初から否定したりこっちの倫理観を押し付けず、ミラーリングをした上で、相手のものさしの中ではなぜ自殺したいと思ってしまうのかを理解するために「訊き」ます。

(3)「問いかけ」

これをしなくても次から次へと語ってくれる人も中にはいます。ですが多くの場合、こちらから相手の気持ちを深堀するために「問いかけ」てあげる必要があると思っています。ここでは、その問いかけの仕方を二つ紹介します。問いかけには2種類あると言われていて、その一つ目が「オープン・クエスチョン」です。一言で言うと、「YES or NOで答えられない質問」です。例えば「あなたは何のスポーツが好きですか?」のような。相手が自分で考える裁量の広い質問の仕方なので、相手が自ら内省するのを助けたり、こちらの考えの押しつけを防いだりする効果があると思っています。ただ、広く訊いても相手が「う~ん・・・」となってしまう場合もあります。しばらく待ってもそのままだった場合、二つ目の問いかけに入ります。「クローズド・クエスチョン」です。さっきと逆、「Yes or Noで答えられる質問」です。例えば「あなたはサッカー好きですか?」のような。相手の考える裁量を絞ってあげた問い方です。簡単に言うと、「相手の頭の中を予測して、球を投げて当ててみる」ことになります。そうすると、「あっ、そうそう!」ってなる場合もあるし、「あっ、それは違うんだけど、こうだ!」って気づく場合もあります。ただし、「クローズド・クエスチョン」は逆に言えば「Yes or Noでしか答えられない質問」とも言えます。いきなりこれで迫ってしまうと、相手は誘導尋問されているような肩身の狭い気持ちになりかねないと思うので(笑)、「オープン→クローズド」の順番を心がけるようにしています。

 

 

 

 

 

色々語ってきましたが、素人の僕がこんなこと言ってもあんまり説得力がありませんよね。

だけど、実際に(2)聴くと(3)訊くを意識するようになった結果、

こんな嬉しい言葉をかけてもらえることが増えたんです。

 

■自分の中で意見を決めつけずに聴いてくれるから話しやすいです!

■アドバイスしたがりの人には話しづらいことも話せました!

■最初はここまで話すつもりはなくて、あまり人には話さないことなんですけど、つい話してしまいました・・・

 

とっっっても嬉しかったです。

自分で言うのもなんですが、人の秘密を「絶対に言わないでね!」と言われながらも聞き出すのがけっこう得意です(笑)

 

これらの心がけの根拠となった本を、いくつか参考にあげておきますね↓

 

『カウンセリング方法序説』 著:菅野泰蔵、日本評論社

『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』 著:アラン・ブリスキン他、英治出版

『子どもの可能性を伸ばす言葉、つみとる言葉 心をひらき、力を引き出す問いかけ』 著:岸英光、PHP

『プロカウンセラーの聞く技術』 著:東山紘久、創元社

『悩みを聴く技術〈ディープ・リスニング入門〉』 著:ジェローム・リス、春秋社

 

 

 

相手にかけてあげるべき言葉は、“深くきく”ことができてこそ見えるものだと思っています。

だから僕は、組織の代表になるにあたって、“語る技術”よりも先に“きく技術”を勉強しました。

真剣に耳を傾けることが信頼に繋がり、今度は自分の話も真剣にきいてもらえる・・・

そんな効果もあると思っています。

 

“きく”って、とっても能動的な行為なんです。

 

 

 

「きき上手」を目指すべく、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

聞き手を「前のめり」にさせるスピーチ・プレゼン・講演に必要なこと ~言葉作り編~

[イントロ編][準備編]に続き、今回は[言葉作り編]と題して、

原稿作りの際に役立ちそうな心がけをまとめてみたいと思います。

内容としては、

 

■導入部での工夫

■盛り込む要素

■言葉作りのテクニック

 

の3本柱でいきたいと思います。

 

それぞれ紹介していくコツの番号は、

前回の[準備編]からの通し番号にさせていただきます。

 

また、今回は参考文献が多数登場するので、

ぜひその本も合わせて読んでいただけると嬉しいです!

 

例のごとく、記事の末尾には全てのコツのまとめが書いてあります。

肩肘張らず読んでいただけたらと思います~

 

 

 

 

 

[言葉作り編]

 

 

 

その?:一言目で「今日はいつもと違うぞ?」と思わせる(導入)

 

お話の始まりとして、こんなのをよく見かけませんか?↓

 

みなさんこんにちは。TABLE FOR TWO大学連合元代表の上村悠也と申します。僕は今日まで約4年間TFTの活動に携わってきました。1年目は東京外大支部を立ち上げ、初代代表として学食や学園祭へのTFT導入をやってきました。翌年はTFT大学連合の2代目代表となり、様々な新規プロジェクトの立ち上げや、世界食料デーキャンペーンを初めて行ったりしました。ちなみにこの年の夏休みにアフリカのウガンダ・ルワンダへ行き・・・(中略)・・・今日はそんな僕の経験を、皆さんに還元できたらと思います。

 

とても丁寧ですし、「悪くはない」かもしれません。

この時点で寝る人はさすがにいないでしょう(笑)

だけど、

 

「悪くはない」けど、「ありきたり」です。

 

講演などによく足を運ぶ聞き手にとっては、

「いつも聞いてる話の中の1つ」になってしまう可能性が高いです。

“one of them”です。

 

これを打破して、

 

「ん?今日の話はなんだかいつもと違うぞ・・・」

 

と聞き手に「前のめり」になってもらうにはどうしたらいいか。

そのコツが3つあります。

 

(1)最初の一言目を突拍子もなくする

(2)その言葉は静かな声でゆっくりと語る

(3)突拍子もない一言目の直後に『間』を入れる

 

(1)以外は[言葉作り編]というよりも[本番編]での内容になりますが、

せっかく導入部の話になったので載せておきます。

 

一つずつ説明していきますね。

その際に、僕が心底尊敬している方のこの著書↓

 

『あなたの中のリーダーへ』著:西水美恵子、英治出版

 

ここに書かれている「パワースピーチの手法」をかなり参考にさせてただいてます。

青字で書かれている部分はそこからの引用だと思ってください。

 

(1)最初の一言目を突拍子もなくする

冒頭の1分間は視聴率最高のプライム・タイム。挨拶などの無駄使いで落とすと取り返しがつかないそうです。ここで担当直入に入って、聞き手を一気に話者の世界に引き込む必要があります。その方法が「突拍子もない一言から始める」です。具体的に3つやり方があると思っています。

■「決まり文句」から始める

例)?「1人の100歩より、100人の1歩ずつ」・・・この言葉を胸に、今日まで約4年間、TABLE FOR TWOに携わってきました。

例)「この世で普遍なものは、変化のみ」・・・ブータン前国王は、こう私に仰いました。(←以前の西水さんの講演で実際に使われた始まり方です)

■「問いかけ」から始める

例)学校給食を届ける意味、本当にあると思いますか?・・・僕はアフリカを旅する中で、一度見失いました。しかし、給食には確実に意味があったのです。今日はそんな希望のお話をお伝えしようと思います。

■「回顧」から始める

例)あれは、2009年3月のことでした・・・あの時あの1冊の本に出会っていなければ、今の僕はありません。

「みなさんこんにちは、上村悠也です。」から入るよりは、よっぽど序盤で相手を「前のめり」にさせることができると思っています。

 

(2)その言葉は静かな声でゆっくりと語る

耳はうるさい声を避け、静かな声に聞き入るそうです。小学生サッカーのコーチをやっていた時もこれは強く実感しています。彼らがガヤガヤしているからといって大声で語りかけても状況は変わりませんでした。しかし、あえて小声で話し始めると、「聞き逃しちゃまずい!」という気持ちが働くのか、次第にシーンとしてくるんです。導入は静かに入りましょう。

 

(3)突拍子もない一言目の直後に『間』を入れる

「1人の100歩より、100人の1歩ずつ・・・」「学校給食を届ける意味、本当にあると思いますか?・・・」にあるように、この「・・・」が大事です。この沈黙は、相手に思考を委ねる猶予を与えます。この間に、聞き手は各々の想いをこの一言目に重ねて、自分ごととして捉えようとします。そして、話し手の世界に引き込まれていきます。沈黙も語彙のうちです。

 

導入部ではこの3つを意識すると、

 

「今日の話はなんだかいつもと違うぞ?」

 

と、聞き手に「前のめり」になってもらいやすいと思っています。

 

 

 

その?:「今日一番伝えたいワンメッセージ」を先に伝える(導入)

 

僕はいつもお話の導入部で、先にこう言ってしまいます。

 

今日みなさんに持って帰っていただきたいメッセージは、

たった一つなんです。

それは、「小さな『1』を大切に」ということです。

 

「複雑なテーマや複数のテーマは、テーマなしと同じこと」だそうです。

僕が喋らせていただく時は、40分間~1時間とけっこう長めなことが多いです。

そうなると当然お話しする内容は増えてきます。

ですが、それら複数のお話内容は全て、

「小さな『1』を大切に」というワンメッセージの普及のために存在するように構成しています。

 

話の内容が複数になるのは構いません。

ですが、それら全てを貫く1つのテーマ・メッセージをきちんと持つべきです。

そしてそれを聞き手にあらかじめ伝えておくのです。

そうすると、聞き手はそのテーマを念頭に置いた状態でその後の話を聞いてくれます。

そして話が進むごとに、「『1』を大切にって、そういうことか~」と納得していくようになります。

 

ちなみに、あえてメッセージを隠しておいて、

お話を聞く中で聞き手自らメッセージを見つけて欲しい・・・

そんな狙いがあるのであれば、それは上記の例外となります。

 

概して、先に伝えておいた方がいい、ということですので。

 

 

 

その?:聞き手にとってなぜ聞く必要があるのかを示す(導入)

 

導入部で「聞く必要ないな」と思われたら、その後真剣に聞いてもらえません。

大学の授業でも、ガイダンスに行って、

 

「こんな話だったら、教科書読んどけば大丈夫だ」

 

と思ってしまった講義は聞く気になれませんよね。

 

そこで、「なぜこの話を聞く必要があるのか」を示す必要が出てきます。

これは有名な下記の本にも書いてあったことです。

 

『スティーブ・ジョブズ 脅威のプレゼンー人々を惹きつける18の法則』著:カーマイン・ガロ、日経BP社

 

そのために必要なことは、単純に2つかなと考えています。

 

(1)聞いた時のメリットを示す(お得感を示す)

→よく、番組の最後に景品のかかったクイズを出すやつ、ありますよね。そのクイズの内容が、番組をちゃんと見てた人だけが答えられるようになってるんです。あれなんかも「番組を見るメリット」を示す方法の一つだと思います。「この番組はちゃんと内容見ておくと良いことがある!」と視聴者に思わせるんです。プレゼンの際にそうやってモノで釣るのはどうかと思いますが(笑)、何かしらの形で「今日の話は聞いたら得する」と思わせてあげることが大事です。

 

(2)聞かなかった時のデメリットを示す(危機感を煽る)

→例えば「TFTの支援先提携団体の基礎知識」を伝える時、僕はこう言います。「みなさん、TFTメニューを食べてくれた方や導入先の食堂の方に『寄付金の送り先の団体との関係ってどうなってるの?』と聞かれたら、大丈夫ですか?もし知らないと、冷や汗かいて気まずい思いをすると思うんです。だから今日は、5分間で簡単にお伝えして、皆さん誰もが説明できるようにしますね。」こんな感じでちょっと危機感を煽って(笑)、しっかり聞いてもらう準備を整えます。

 

 

 

その?:話に根拠・説得力を持たせる(盛り込む要素)

 

「何を言うかではなく、誰が言うか」

 

これは悔しいですが真である面が大きいと感じます。

僕が「1歩ずつの積み重ねが大事だ!」って叫ぶのと、

イチローが「1歩ずつの積み重ねだよ」って言うのとでは、

説得力が全然違いますよね。

 

じゃあ有名人じゃないと何も語れないのか・・・

 

そんなことはないと思っています。

そこで限りなく一般人である人が語る時に大事になってくる要素が2つあります。

 

(1)自分の実体験を入れる

→「こう思うんです。」ではなくて、「実際にこうだったんです。」には、どんな人の話であれ説得力があります。なので、想いだけを伝えるのではなく、できるだけ具体的な実体験を入れるようにしてください。

 

(2)他者からの引用を入れる

僕もこの記事で引用を使いまくってますね。元世界銀行副総裁の西水さんが仰っていることを引き合いに出したり、スティーブ・ジョブズの本から持ってきたり・・・自分が何者でもないのであれば、何者かである人の力を使わせていただくんです。

 

一言で言うならば、語る言葉に根拠を持たせるということです。

 

 

 

その?:一文をできるだけ短く(言葉作り)

 

これはすぐにでもできる技です。

 

「~で、~で、~だったから、~で、そうしたら~で・・・」

 

こんな風に長々続く一文は、聞き手に息苦しさを感じさせます。

語り手の呼吸のリズムって、けっこう聞き手に移ると思うんですよね。

語り手が息継ぎしないと、聞き手も息継ぎしづらいんです。

 

そこで、一文をできるだけ短くするようにしてください。

 

コツは、

 

「。」+「接続詞」

 

です。

いくつか簡単な例をいくつか挙げます。

 

■「今日は雨だったので家から出ませんでした。」

→「今日は雨でしたね。だから家を出なかったんです。」

■「せっかくすごい頑張ったのにうまくいきませんでした。」

→「せっかくすごい頑張ったんです。だけどうまくいきませんでした。」

 

できる限り「。」で区切っていくんです。

これは特に、誰かのセリフを引用する時に強烈な力を発揮します

例えば、

 

インタビューをした支援先のお父さんは、「いつか自分で生きられる子になって欲しい。そしていつか、誰かを助けられる子になって欲しい」と言ったのです。

 

という一文があります。

僕はこれを、こう言うようにしています。

 

インタビューをした支援先のお父さんは、こう言ったんです・・・。「いつか自分で生きられる子になって欲しい。そしていつか、誰かを助けられる子になって欲しい」と。

 

[本番編]でもお伝えしますが、この効果は絶大です。

ほんの少しの工夫ですが、聞き手の反応は本当に変わります。

どんな効果がありそうか、[本番編]を公表するまでちょっと考えてみてください。

 

 

 

その?:リズミカルな言葉のための3つのテクニック(言葉作り)

 

言葉作りのテクニックは無数にあります・・・紹介しきれないほど。

たとえばこのページ見てください↓

 

『日本語で使えるレトリック(修辞技法)』

http://listfreak.com/list/841

 

網羅的に勉強するのであれば、

そういうページや本を探してください。

 

この記事では、僕が講演で話す時のクライマックス・・・

一番熱を帯びて語っている部分で実際に使っている技法に絞って、

3つご紹介します。

 

まずはテクニックを紹介する前に、

実際にその言葉を見ていただきます。

 

準備段階として、一つお願いがあります。

 

その言葉が使われている文脈・ストーリーを知っていただく必要があるので、

お手数ですがこの記事を一度読んでいただけますでしょうか?↓

 

『4月2日、フォーツーの日に想う・・・』

http://eijipress.co.jp/chicken/?p=3062

 

僕が講演の時に語っている内容を文章にしたものです。

この記事の先に進む前に、まずは目を通してくださいm(__)m

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

読んでいただけましたか?

 

それでは、あのお話の中で特に熱を入れている部分を、

下記の通り再掲します↓

どんなテクニックが隠れているか、想像してみてください。

 

 

 

もし給食がきっかけで学校に通い、

夢を叶えて「先生」になった子がいたら・・・


あの6人中2人しか子どもを学校に通わせてあげられなかった家庭に、

教育の手を差し伸べるかもしれない。

 

 

もし給食がきっかけで学校に通い、

夢を叶えて「医者」になった子がいたら・・・

 

僕が目の前にいて何もできなかった、

あのHIVの少年を救うかもしれない。

 

 

もし給食がきっかけで学校に通い、

夢を叶えて「大統領」になった子がいたら・・・

 

もう二度と悲しい紛争なんて起こさない、苦しい飢餓もない、

そんな国づくりをしてくれるかもしれない。

 

 

 

それでは、この中に隠れている3つのテクニックをご紹介します。

 

でも実は、テクニックを知っていて上記の言葉を紡いだわけじゃないんです。

後から読んだ本を見て、「あっ、これ使ってる・・・」って気付いたんです(笑)

出典はこちら↓

 

『スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方』 著:サイモン・マイヤー他、阪急コミュニケーションズ

 

(1)三の法則

事例を「3つ」並べるのです。前掲の『スティーブ・ジョブズ脅威のプレゼン』でも、「3はマジックナンバー」だと書かれています。2だと足りないし、4だとくどいんです。3が一番リズミカルです。椅子を思い浮かべてください。椅子が安定して立つには、足は最低何本必要ですか?答えは「3」です。僕らの世界のいたるところで、3はマジックナンバーとして存在しているようです。

 

(2)アナフォラ(首句反復)

「同じ言葉で始まるセンテンスを繰り返す」ことを言います。僕の言葉で言うと、「もし給食がきっかけで学校に通い、夢を叶えて「○○」になった子がいたら・・・」の部分です。ある意味、たたみかけるように語るんです。強く印象に残すために。この手法を使った例と言えば、あの有名な伝説のスピーチがありますよね!そうです・・・キング牧師の「I have a dream」です。スピーチの全文はこちら

※アナフォラの効果・使い方・用例はこちら↓
http://members3.jcom.home.ne.jp/balloon_rhetoric/example/anaphora.html

 

(3)アシンデトン(連辞省略)

「接続語なしにセンテンスを連ねる技法」を言います。もし僕が紡いだあの言葉が、こうだったらどうでしょう・・・

まず、もし給食がきっかけで学校に通い、夢を叶えて「先生」になった子がいたら・・・あの6人中2人しか子どもを学校に通わせてあげられなかった家庭に、教育の手を差し伸べるかもしれない。

そして、もし給食がきっかけで学校に通い、夢を叶えて「医者」になった子がいたら・・・僕が目の前にいて何もできなかった、あのHIVの少年を救うかもしれない。

さらに、もし給食がきっかけで学校に通い、夢を叶えて「大統領」になった子がいたら・・・もう二度と悲しい紛争なんて起こさない、苦しい飢餓もない、そんな国づくりをしてくれるかもしれない。

・・・なんとなく、リズムが崩れてる気がしませんか?僕はほぼ無意識でしたが、リズム感、躍動感、力強さを持つには、ここではこういう接続語がない方がいいなと感じて取っ払いました。

※アシンデトンの効果・使い方・用例はこちら↓
http://members3.jcom.home.ne.jp/balloon_rhetoric/example/asyndeton.html

 

この他にも、「強い言葉」を作るヒントが欲しいという方に、オススメの本があります。

こちらです↓

 

『伝え方が9割』著:佐々木圭一、ダイヤモンド社

 

著者は国内外で51の賞を受賞したという敏腕コピーライター。

この本の優れているところは、

 

「今すぐにでも使える強い言葉の作り方が公式化されている」

 

という点です。

「公式化されている」ということは、

 

「公式を覚えて、自分のシチュエーションを代入するだけでいい」

 

ということ。

全部公開してしまうと著作権的にあれだと思いますので、

数ある紹介されている公式の中でも、「ギャップ法」だけ例に挙げて紹介します。

 

例えば、

 

「他の店がまずく感じるほど、ここのラーメンは旨い」

 

この文章には「ギャップ法」が使われ、強い言葉になっています。

伝えたいことの核は、「ここのラーメンが旨い」の部分なのですが、

「他の店がまずく感じるほど」という前置きが、

「ここのラーメンが旨い」を補強しているのです。

 

この例文を、この本では次のように公式化しています。

 

?伝えたいコトバを決める

→「ここのラーメンは旨い

?正反対のワードを前半に入れる

→「他の店がまずく感じる」

?前後が繋がるようにする→「他の店がまずく感じるほど、ここのラーメンは旨い」

 

この???の公式さえ覚えてしまえば、

後は自分のシチュエーションに合った言葉を、

穴埋め問題のように当てはめればいいんです。

 

こんな感じで、強い言葉を作る公式がいくつも紹介されています。

ぜひ手に取って読んでみてください。

 

 

 

 

 

~まとめ~

 

[言葉作り編]のまとめをしたいと思います。

 

 

 

■その?:一言目で「今日はいつもと違うぞ?」と思わせる(導入)

→冒頭の一分間は視聴率最高のプライム・タイム。無駄な挨拶などで逃すと取り返しはつかない。一言目で聞き手を前のめりにさせるために、

(1)一言目を突拍子もなくする:「決まり文句」「問いかけ」「回顧」から始める
(2)その言葉は静かな声でゆっくりと語る
(3)一言目の後に『間』をとる

 

■その?:「今日一番伝えたいワンメッセージ」を先に伝える(導入)

→複数のテーマは「テーマなし」と同じこと。話の内容が複数になったとしても、全体を貫くワンメッセージを決め、冒頭で伝える。聞き手はそのメッセージを意識しながらその後の話を聞ける状態になる。

 

■その?:聞き手にとってなぜ聞く必要があるのかを示す(導入)

→冒頭で「聞く必要なし」と思われれば、その後を聞いてもらえない。そのために、「なぜこの話を聞く必要があるか」を、下記の2つの方法で感じてもらう。

(1)聞いた時のメリットを示す(お得感を示す)
(2)聞かなかった時のデメリットを示す(危機感を煽る)

 

■その?:話に根拠・説得力を持たせる(盛り込む要素)

→「何を言うかより、誰が言うか」が重視される世界。限りなく一般人である人の話に説得力を持たせるためには、

(1)自分の実体験を入れる:「こう思う。」ではなく「実際にこうだった。」を入れる。
(2)他者の引用を入れる:自分が何者でもないのであれば、何者かである人の力を借りる

 

その?:一文をできるだけ短く(言葉作り)

→「、」が続く長い一文は、聞き手に息苦しさを感じさせる。「『。』+『接続詞』」で、一文をできるだけ短くする。特に、第三者のセリフを引用する時に、絶大な効果を発揮する(詳しくは[本番編]で)。

 

■その?:リズミカルな言葉の為の3つのテクニック(言葉作り)

→言葉作りのテクニック・レトリックは無数にある。その中で今回紹介したのは、言葉にリズムを持たせる下記の3つの手法。

(1)三の法則:事例を3つ並べる
(2)アナフォラ(首句反復):同じ言葉で始まるセンテンスを繰り返す
(3)アシンデトン(連辞省略) :接続語なしにセンテンスを連ねる

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

以上で、[言葉作り編]は終わりになります。

 

長文読んでくださりありがとうございましたm(__)m

前回分も含め、ご意見・ご感想・アドバイスなどあればぜひ!

 

 

 

次回は最終回(予定)の[本番編]です。

 

喋るスピード、間の取り方、目線の移し方など、

実際に語る時の心がけを綴れたらと思います。

 

聞き手を「前のめり」にさせるスピーチ・プレゼン・講演に必要なこと ~準備編~

それでは、前回のイントロ編に引き続き、

 

『聞き手を「前のめり」にさせるスピーチ・プレゼン・講演に必要なこと』

 

と題して、まずは本番前の準備のお話からしたいと思います。

 

■ターゲット・ゴール設定

■ストーリー作り

■スライド作り

■原稿作り

■練習の仕方

 

を、6つのコツに分けて綴っていきます。

 

記事の最後に6つのコツのまとめも書いてありますので、

「一発で全部覚えなきゃ・・・」なんて肩肘張らず読んでくださいね。

 

 

 

 

 

[準備編]

 

 

 

その?:3つの問いに答える(ターゲットとゴール設定)

 

「伝える」は、“目的”ではなく、“手段”です。

伝えたことを覚えてもらえばOKなわけではありません。

伝えた先で、相手に何かしらの変化を期待するのです。

 

そこで必要なのは「ターゲット」と「ゴール」の設定です。

そのために、次の3つの問いに、順番通りに答えてください。

 

(1)どんな人に

(2)どうなって欲しく

(3)そのために何を伝えるのか

 

「順番通りに」、です。

 

(1)どんな人に

→これは、「来てくれた人に」「多くの人に」なんていうのが論外なのはもちろん、「大学生に」など漠然としているのもGOODではありません。「大学生」なら、例えば「途上国の為に何かしたいと思いながらも、自分一人でやることになんて意味がないと思っている大学生」くらいにまでは落とし込みます。もちろん、参加者全員が狙い通りの人ばかりになることなんて滅多にありません。しかし、ターゲットを明確にすればするほど、どのような広報戦略を練ればいいかも見えてきます。結果、ターゲットに近い参加者を多く呼べることに繋がります。

 

(2)どうなって欲しく

→(1)の人が、自分が伝えた先でどう変化して欲しいのか、理想像を描きます。よく聞くのが、「みんな想いは違うのだから、それぞれの人が、それぞれの人なりの発見があれば良い」という言葉です。最もらしく聞こえますが、これだけではやはりGOODではありません。「絶対にこれだけは持って帰って欲しい想い」というものを語る側は強烈に持つべきです。例えば「たった一人の行動にも意味があると感じ、すぐに起こせるアクションを考案し、実行してもらう」など。それに加えて、先ほど言った「それぞれの違った学び」も+αの部分としてあればベターですよね。でもそこはあくまで+αです。

 

(3)そのために何を伝えるのか

→これがあなたの話す内容に当たります。(1)の人が、(2)になるために、何を伝える必要があるのか。大事なのは、「あなたが話せる内容ありき」ではなく、「相手に起きて欲しい変化ありき」だということ。後者において、自分の話だけでは力不足だと思える時もあります。その時は、適した別の人を連れてくる・他者の話の引用を使う・別途ワークを組む・・・などの手段も見えてきます。僕も先日、「ここの部分は自分の持ってる話では響かないな・・・」と感じた部分があり、適した人にバトンタッチしました。「自分ありき」ではありません。「相手ありき」です。だからこそ、「(1)→(2)→(3)」の順番で考える必要があるのです。

 

 

 

その?:聞き手の「感情の波」を作る(ストーリー作り)

 

これまで色んな方のお話を聞いてきました。

おそらく、大学の授業を抜いて、

50回以上は講演会やシンポジウムなどに足を運んで聞いています。

 

そんな中で、あまり面白くない話に共通すること・・・

 

話に緩急がない

 

なので、自分が話す内容が進むに従って、

聞き手の感情に波を起こすようにストーリーを組み立てます。

 

一例ですが、以下のように、

紙の上に時間軸に合わせて「感情曲線」を書いてみるといいです。

 

 

振れ幅が大きいほどギャップで話が印象に強く残ると感じています。

 

ついでに余談です・・・

上記の例の中の話にはなりますが、

僕の中でこんな原則を持って話すようにしています。

 

(1)悲しい話(真面目な話)をする時は、相手に心の準備をさせる

→直前に休憩を一度入れたり、「大事な話なのでしっかり聞いてください」と念押します。その想いはこちらに詳しく書いています。↓

『アフリカの事を話す時に僕が考えること。』

 

(2)最後は希望を持ってもらうように終わる

→悲惨な現実を知った罪悪感などで人を動かすのではなく、「自分にも変化を起こせるんだ」という希望を持って帰ってもらえるように話を組んでいます。

 

 

 

その?:スライドの文字を極力減らす(スライド作り)

 

以下の二つのスライドを見比べてみてください。

 

スライド?

 

 

スライド?

 

どっちが見栄えいいですかね~。

 

おそらく、「親切なスライド」を選べと言われたら、?だと思います。

 

ただし、今回の大前提である「『前のめり』にさせるスライド」はと言うと、

?の方です。

 

?のスライドにすると、

お客さんは間違いなく、あなたが話している間、スライドを見ています。

そして一生懸命ノートにスライドの内容を写しています。

 

つまり、あなたの方を見てもらえません。

 

?のスライドにした時、お客さんの頭の中に浮かぶ言葉はなんでしょうか?

 

「『96%』って、なんの数字だろう・・・

「『5秒』って、何を表しているんだろう・・・

 

この、頭にクエスチョンマークを浮かばせるのが、

「前のめり」にさせるコツです。

 

命名します・・・

 

下品に言うならば「ちらりズム作戦」

上品に言うならば「をくゆかし作戦」

 

「その先が気になる・・・!」

 

と思わせると、相手は「前のめり」になります。

あなたの話を全力で聞く準備が整います。

 

そうなって初めて、

 

「この『96%』という数字、なんだか分かりますか?なんと、栄養不足人口のうち、96%は途上国の人たちなんです。」

「『5秒』。このたった5秒の間に、飢えを理由に世界では一人命を落としているんです。」

 

と説明します。

 

主役はスライドではなく、あなたです。

 

「読ませるスライド」を作る必要はありません。

「気になるスライド」を作るんです。

スライドには必要最低限のキーワードだけを載せればいいんです。

後はお客さんにしっかりあなたの方に注目してもらうこと。

そして、あなたの魂のこもった言葉で、目を見て伝えてあげてください。

 

 

 

その?:スライド間の『接続詞・枕詞』を考える(スライド作り)

 

せっかくお客さんの感情の波を作る全体のストーリーを組み立てました。

なのにスライドと次のスライドの繋がりがよく分からない・・・

あちこちに話が飛ぶスライドの流れだと、萎えます。

 

それを防ぐための方法が、

 

スライドとスライドの間の

『接続詞・枕詞(まくらことば)』を考える

 

です。

いくつか例を挙げると、

 

■順接

「〈スライド?〉だから〈スライド?〉・・・」

「〈スライド?〉、そのため〈スライド?〉・・・」

 

■逆説

「〈スライド?〉、しかし〈スライド?〉・・・」

「〈スライド?〉、ところが〈スライド?〉・・・」

 

■並列

1つ目に・・・〈スライド?〉」

2つ目に・・・〈スライド?〉」

 

無秩序にスライドを並べてしまっていないか・・・

「接続詞」と「枕詞」でチェックしてみてください。

 

 

 

その?:一字一句の原稿を作る(原稿作り)

 

白状します。

昔はやっていませんでした(笑)

 

だけど、実際は一字一句の原稿を作った方が、

パフォーマンスが上がっていると実感しています。

 

細かい言い回しまで一字一句こだわった原稿を一度作っておく。

すると、本番でその言葉を自信を持って発することができます。

「ここまで練り上げた言葉なんだから・・・」と。

 

ただ、原稿を作るにあたって、大事なことが2つあります。

 

(1)「話し言葉」を意識した原稿を作る

→原稿作りに夢中になると、特にPCでタイプしていると、ついつい「書き言葉」で作り上げてしまいます。その原稿で練習して、いざ本番でもそのまま話すと、非常にカタクルシク、ギコチナイ語りになります。なので、「実際に人前でこの言葉づかいで話す」という意識を強く持って、「話し言葉」の原稿を作る事が大事です。

 

(2)本番で本当に一字一句原稿通りに喋る必要はない

→本番では、お客さんの顔を見ながら「今のところちょっと説明不足だったかな・・・」など様子を見ながら、話す言葉を少しずつ修正すると良い語りができます。それができるのも、ベースとなる原稿が頭の中に叩き込まれているからですが、逆にあまりにも原稿に引っ張られすぎるのは危険です。本番での柔軟性を失い、予期せぬ事態(話す時間の短縮が急遽要求される、途中でお客さんから質問が入る、原稿の内容を一部ど忘れする・・・etc)が起きた時に対応できなくなります。「一字一句まで詰めて練習したんだ!」ということを“自信にする”のは大事です。でもだからといって、「完全にその通りに喋らなければ・・・」というプレッシャーを自分にかけないように・・・

 

ちなみに、僕は本番では原稿を一切見ません。

一切見なくても大丈夫なところまで練習し尽くします。

[本番編]でも書く予定ですが、

話している時に目線がどこを向いているかは非常に大事です。

 

実際に原稿を作る時の「響く言い回し・言葉作り」のコツは、

[言葉作り編]の方でいくつか紹介したいと思います。

 

 

 

その?:お客さんを想像してリハーサルをくり返す(練習)

 

僕は可能な限り、事前に参加者の名簿と、

できればプロフィールをもらうようにしています。

 

それを眺めながら、その?の(1)で立てたターゲット像と合わせて、

「この人は、こんな顔をしていて、こんな背景で来ていて、こんな性格をしているだろう」

というお客さん像を、勝手に作り上げます(笑)

 

でも、喋る練習をする時は、

そういう「特定の誰か」に向けてやった方が効果が高いです。

それがたとえ想像上の人物像だったとしても。

 

ビジネスの世界でも、ターゲット像を可能な限り明確にするという作業はよくあります。

僕のいた会社でも、カスタマーの年齢、職業、服装、家族構成まで・・・

あらゆる細かいところまで想定して、商品設計などをしていました。

(僕はまだ未熟でしたが・・・)

 

同じように、プレゼンや講演でも、

お客さん像を可能な限り明確にして練習するといいと思います。

 

練習の回数の話に移ります。

 

僕はだいたい5~7回くらい、時間計ってやってみます。

 

最初の3回ぐらいは原稿を読みながら。

それで時間オーバーするようなら原稿を削ったりします。

違和感がある箇所があれば、話す順序を変えたり、細かい言い回しを変えたりもします。

 

4回目以降は、実際にスライドを使いながら、原稿は見ずに、納得いくまで繰り返します。

ここで、クリックしてスライドを進めるタイミングなども掴みます。

本番では、スライドを見なくてもクリックの回数で、

今どの画像がどんなアニメーションで出ているかが分かるくらいまでになっています。

 

 

 

 

 

~まとめ~

 

[準備編]のまとめをしたいと思います。

 

 

 

■その?:3つの問いに答える(ターゲットとゴール設定)

→(1)どんな人に、(2)どうなって欲しく、(3)そのために何を伝えるか、に「順番通り」に答えていく。一つひとつの答えにできるだけ具体性を持たせて。「自分が話せる内容ありき」ではなく「相手にどうなって欲しいかありき」。後者のためであれば、別の話し手を呼ぶ・引用を使う・別途ワークを組む、などの手段も駆使する。

 

■その?:聞き手の「感情の波」を作る(ストーリー組み立て)

→緩急のない話はつまらない。時間軸に沿った感情曲線を描き、振れ幅を大きくし、印象深いストーリーを作る。

 

■その?:スライドの文字を極力減らす(スライド作り)

→「親切なスライド」ではなく、「前のめりになるスライド」を作る。主役はスライドではなく、あなた。「ちらりズム・をくゆかし作戦」で、注目をひく。


■その?:スライド間の『接続詞・枕詞』を考える(スライド作り)

→せっかく作ったストーリーを台無しにする無秩序なスライド構成になっていないか。スライド間の「接続詞・枕詞」をチェックする。

 

■その?:一字一句の原稿を作る(原稿作り)

→本番で自信を持って話せるように、その時点でベストだと思う原稿を一字一句作る。ただし、「実際に使う話し言葉で作成する」ことと「本番で本当に一字一句原稿通りにしなくていいという柔軟性」を大事にする。

 

■その?:お客さんを想像してリハーサルをくり返す(練習)

その?の(1)で想定したターゲット像に加えて、想像上であってもいいから可能な限りお客さんを明確にイメージする。その「特定の誰か」に向けて話す練習を繰り返す。

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

以上で、[準備編]は終わりになります。

 

長文読んでくださってありがとうございました!m(__)m

コメントで、ご感想やご意見、アドバイスなどもいただけると更に嬉しいです!

というのも僕も勉強の身なので、ぜひ皆様の知恵をお借りしたいのです。

この一連の記事は、建設的な議論のきっかけとなることが理想です。

 

 

 

次回は、[言葉作り編]です。

 

相手を前のめりにさせる言い回しの作り方など、

細かいテクニックを少し紹介できればと思います。

 

[追記]

※第3弾[言葉作り編]書けました!↓
http://eijipress.co.jp/chicken/?p=3192

 

聞き手を「前のめり」にさせるスピーチ・プレゼン・講演に必要なこと ~イントロ編~

TABLE FOR TWO(TFT)の活動を始めてから、

ある程度の人数の前でプレゼン・スピーチ・講演をさせていただく機会が増えました。

 

しかし、僕は最初から人前で喋れる人間だったわけでは決してありません・・・

 

 

 

TFTを始めてすぐに出場した助成金コンテストでは、

審査員からプレゼン内容をボコボコにされ(もちろん落選)・・・

 

学内でのTFT説明会では、

留学帰りの友人から「固い、つまらない、お前らしくない」と一掃され・・・

 

授業で3分TFTの説明の時間をいただいた時は、

200人の前に出る勇気が湧かず友人に喋らせ自分はカメラマン(当時東京外大支部代表)・・・

 

TFT大学連合の代表になって最初のミーティングでは、

ディスカッションの時間が30分延びた上話がまとまらないというひどい司会ぶり・・・

 

 

 

人前に立つのが、大嫌いでした。

 

 

 

まさにChicken!!!

 

 

 

だけど、「『代』わりに『表』に立つ」と書いて『代表』・・・

 

その自覚が少しずつ出てきて、

自分が広告塔にならなくちゃいけないと思い始め、

そしてアフリカの現状を見てきてからは、

「前に立ちたくない」という気持ちを、

「伝えなきゃ」という気持ちが凌駕するようになりました。

 

そして少しずつ・・・

 

場数を重ね、

うまい人の話し方を研究し、

自分なりのスタンスを確立していきました。

 

 

 

そして気がついてみれば、

アフリカのことや、自分の人生のお話させていただく機会を、

数えてみるとこれまで40回くらいいただいてきました。

中には泣きながら聞いてくれる人までいます。

以前母校でやった講演会では、こんな嬉しい感想もいただきました↓

http://eijipress.co.jp/chicken/?p=973

 

 

 

・・・

 

 

 

今回、そんなダメダメだった自分が一つずつ学んできたことを、

一度言語化してみようと思います。

最初から感覚だけでできる人間ではなかったからこそ、

お伝えできる事があるかなと。

皆さんのお役に少しでもたてれば嬉しいなと思います。

 

いくつかの記事に分けて、図解も入れながら綴っていこうと思っています。

 

 

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■イントロ編(このシリーズの前提:人前で喋る目的)

準備編(ストーリー作り・スライド作り・原稿作り・練習の仕方)

言葉作り編(導入・盛り込む要素・言葉のテクニック)

■本番編(声の出し方・喋るスピード・間の取り方・目線)

※()の中身は予定です。変更の可能性もあります。

=========================

 

 

 

今回書いていく大前提として、

人前で喋る目的として以下の言葉をキーワードにしようと思います。

 

 

 

聞き手を「前のめり」にする

 

 

 

プレゼンやスピーチは「圧倒的」である必要はありません。

「圧倒する」ということは、相手を後ろに仰け反らせることです。

それは、ただ「自分がすごい人間であることを認めさせたい人」のやることです。

 

でも、喋る目的はそうではありませんよね。

 

こっちを向いて欲しいんです。

遠ざかるんじゃなくて、近づいて欲しいんです。

 

 

 

いかに自分が話す内容に対して

「前のめり」になってもらうか

 

 

 

そのための心構えや小技を、

自分の実体験や信頼できる本から学んだ内容をまとめて、

綴っていこうと思います。

 

 

 

・・・

 

 

 

これにて、シリーズ第1弾[イントロ編]を終わりにします。

 

次回、第2弾は[準備編]と題して、

本番前の準備(ストーリー作り・スライド作り・原稿作り・練習の仕方)について書いていこうと思います。

 

 

 

[追記]

※第2弾[準備編]が書けました!↓
http://eijipress.co.jp/chicken/?p=2876

※第3弾[言葉作り編]が書けました!↓
http://eijipress.co.jp/chicken/?p=3192

 

 

あなたには遠く及びませんが・・・(笑)

 

相手の成長を促進させる3つのレスポンス ~小学生サッカーのコーチ経験から~

「コーチ!リフティング10回できた!!」

 

僕が過去に小学生サッカーチームのコーチをやったいた時、

子ども達はよくこうやって自分の成長を目を輝かせながら報告してくれました。

報告に対して、当然僕はレスポンスをします。

レスポンスをする時に考えるのが、

 

「この子がさらに意欲を持てるようになる言葉ってなんだろう?」

 

ということです。

 

振り返ってみると、

相手によってレスポンスを変えていて、

その返し方には3パターンあったな、

と気づきました。

 

そしてそのレスポンスの3パターンというのは、

「対子ども」だけに留まらず、

誰とコミュニケーションする上でも当てはまらないことはない・・・

そう思いました。

 

なので今日は、

 

「コーチ!リフティング10回できた!!」

 

と報告してもらった場合を例に、

その3つのレスポンスを参考までに書いてみようと思います。

 

 

 

(1)「すごいじゃん!!」 =賞賛

 

純粋に褒めるということです。

基本的に「認められたい欲求」は誰にでもあります。

僕もとってもこの欲求が強いので、褒めて伸ばしてあげてください(笑)

褒め言葉は「すごいじゃん!」以外にもたくさんあります。

結果よりも頑張った過程を認めてもらいたい子には「よく頑張ったね~!」に変えるとか。

 

ただ、「褒める」という行為は、相手を「評価する」ということです。

ある本では、

 

子どもは「評価」すべきではなく、

ただ「認めてあげる」ことが大事

 

と書いてあります。

 

実際に、褒め言葉に対して、時々こんな子がいます。

僕がある子に対して、

「○○くんはここ最近本当に大きく成長しててすごいよね!」

と言ったときに、実際に返された言葉です。

 

「コーチ、本当にそう思ってる??」

 

僕はこの時本気で言ったのですが・・・!

学校の中で、成績というものさしで評価されている子ども達。

想像以上に「評価」に対して敏感だったりします。

自分に自信がない子、自己肯定感の低い子は、

褒めても真に受けず、疑ってしまうことがあります。

 

以降、この子にはレスポンスを変えました。

 

 

 

(2)「そっかー!10回できたんだね!!」 =復唱

 

簡単に言えば、「評価をしない」ということです。

「すごい」「すごくない」の評価は置いておいて、

「リフティングが10回できた」という報告をそのまま分かってあげるだけ。

大げさに言うと、

 

たとえすごかろうとすごくなかろうと、

コーチはお前のこと分かってあげるからな

 

というメッセージを込める意気込みでこの方法をとりました。

 

後から知ったのですが、

相手の言葉を繰り返すこの手法は「ミラーリング」と言って、

相手を尊重するコミュニケーション法として確立している一つのちゃんとした理論だったのです。

 

これをすると多いのは、「続きを喋ってくれる」ことです。

 

子ども「コーチ!リフティング10回できた!!」

俺「そっかー!10回できたんだ!!」

子ども「うん!だから次は20回を目指すんだ~!」

 

みたいに。

 

コーチ側から無闇に「すごいね!じゃあ次は20回だな!!」と目標設定してしまうと、

子どもによってはプレッシャーに感じたり、

「10回できたこと、コーチには物足りなかったのかな・・・」

と思ってしまう場合があります。

そこに対して、ミラーリングをすると、自ら次の目標を語る機会を与えることができます。

 

(1)で「賞賛」のことを書きましたが、

 

(2)ミラーリング+(1)賞賛

 

というような組み合わせ技も効果は高いと思っています。

いきなり賞賛されるとさっきみたいに、

「本当にそう思ってる??」ってなっちゃう子はいるけれど、

 

ミラーリングを嫌がる子はいません。

 

なので、

 

「10回できたんだね!(=ミラーリング)

すごいじゃ~ん!(=賞賛)」

 

と連携させるといいかと思います。

 

ちょっと(1)賞賛の話に戻ります。

「評価はよくない」という本の引用も書きましたが、

僕はやっぱり時々は思いっきり褒めてあげることは大事だと思います。

「あんま褒めると、『褒められること』が練習の目的になっちゃうんじゃないかな・・・」

とも時々思いますが、

褒められた時の相手の嬉しそうな顔見てると、

僕なんかはつい褒めてしまいます(笑)

なので、「評価よりも、認めてあげることが大事」ということも念頭に置きながら、

褒めてあげることもする、というのが僕のスタンスです。

そこはあまり神経質になり過ぎないようにしています。

 

 

 

(3)「え~、まだ10回しかできてないの~??(ニヤリ)」 =挑発

 

これはリスクありです(笑)

この言葉をかけていい相手かどうか、

その子の性格と今置かれている状況(調子がいいのか落ち込んでるのか、など)をよく見ないと使えません。

ただ、普段から生意気言ってくるようなわんぱく坊主には、

褒めるよりこっちの方がよっぽど刺さることがあります。

 

「だったら20回できるようになって帰ってきてやる!!」

 

と奮起するんです。

僕としては、普段生意気だから「褒めるのが悔しい!」と思って使い始めたのですが(笑)

意外と効果ありでした。

 

 

 

・・・

 

 

 

人の成長を促進させるに際し、

・・・いや、何に際しても、

 

「必ず刺さる魔法の言葉」はありません。

 

大事なのは、一人ひとりをよく見て、

「この人には、この状況で、どんな声かけが響くかな~」

と、その都度その都度真剣に考えることです。

 

上に紹介した3パターンも、

ただ当てはめるだけの無機質なものになれば、

「上辺だけの言葉」だということはすぐ相手にばれます。

特に子どもは正直だし、見抜く目を持っています。

 

大事なのは、本気で一人ひとりと向き合う姿勢です。

 

「聴く」という漢字は、

」と「」と「」を「」分に使う、

と書きます。

 

全身全霊で相手の声なき声まで聴こうとする姿勢、

それが、語るべき言葉を授けてくれます。

 

語る前に、よく聴く。

 

これは僕の中で鉄則です。

なので、

 

基本姿勢は相手に対する真剣な傾聴。

その上で、3つのパターンをちょっと意識してみる。

 

この記事を役立ててもらえるのであれば、

その点を大事にして欲しいなと思います。

 

 

 

最後に、

僕は経験則から正直に語ってはいますが、

専門家ではありません。

なので参考図書を↓

 

 

『子どもの可能性を伸ばす言葉、つみとる言葉』著:岸英光、PHP

 

これは「対子ども」じゃなくても十分通用する内容でした。

100ページちょっとで、難しい言い回しも全然ないのでさらっと読めてしまいます。

15のシーンを事例としたパートと、

10の心得をまとめたパートで、

相手の可能性を伸ばすor摘み取る言葉のかけ方が解説されています。

読むと、自分が無意識のうちに抱いている「思考の枠」に気付かされたり、

ちょっとした声かけの中に意図せず含まれてしまうメッセージを知れたり、

とても勉強になりました。

 

関心あれば、最初の一冊にぜひ!